以前に買ったまま、置いておいた本を読んでみたのが、こちら。
我々の世代だと、そんなに長野県の各地域がいがみ合っているという気はしないのだが、長野県は南北に長い県なので、交流するのは不便だから、色々と地域エゴは存在するだろうとは思う。
ともあれ、東京に長く住まわれていた方と、名古屋の方の書かれた本なので、そうそうと思う部分と、ちょっと違うのではという部分もある。
例えば、冬季オリンピックを長野市の人々が、全員喜んでいたワケでは無いし(財政が大変になると気付いていた人の割合も結構高かったと思うので)、田中知事が敗れ去ったのは、やはり長野市北部に建設しようとしていた浅川ダムの建設反対で困る人々が、多くの政党に存在したというコトだろうと分析します。
ちなみに、色々な情報を総合すると、自民党色の強かった前市長と、民主党色が強い現市長の、どちらもが建設資材の会社のドンであり、半々でダムのコンクリートの納入が決まったという話を、信頼のおける筋から聞いたコトがありますし。
地盤が弱い場所に造られるダムなので、大洪水の時は下手をするとダムも一緒に流れるのではという話もあるだけに、その地盤補強をしようとすれば、予定より沢山のコンクリートが使われるコトでしょうから、どちらの市長関連会社も、よりウハウハになる可能性が高く。
人間、金が絡むとダークな話をするコトに遠慮は無くなるでしょうし、加えて田中元知事は社会人としての下積み経験が少ない方なので、人心掌握術が上手かったとは言えなかったのが原因かと。
加えて、後輩というコトで、最初の知事選で敗れた元副知事に対しての敗戦分析がなされてナイみたいですが、高卒で大学が夜学に通った苦学生がどうして副知事までなれたかというと、その前の知事の奥さん(こちらの方の父親が権力者ゆえに知事になれたというコトもあり、実権はこの方に在ったとも)に取り入って、改名までされたと聞いてしまえば、誰でも違う知事を誕生させたくなったのは当然のコトで。
作家としては、好きな部類に入る佐久総合病院勤務だった南木佳士氏が「小渕優子代議士誕生に際して、信州生まれの医師が『政治には素人の娘に票を入れる気が知れない』と語った」と書いたのは、長野県人として当然だと思うし、その話題はこの本ではナクて、著者のエッセイでまず読んで、「情にもろい上州人たちの投票行動」と書かれていて、ビックリしたものだが、収賄事件として最近話題になって、「ヤレヤレ」と思う次第である。
ともあれ、信州人と他の県の人から呼ばれはするが、この本にも書かれている通り、会合は「大阪在住長野県人会」など、実際には「長野県人」という通称が使われるのが普通なので、「信州人」という言葉は、「信州信濃の信州人」などという時や、マスコミでは好んで使われるかもしれないが、としか思わないなどと、重箱の隅が気にかかるのも、やはり、長野県生まれゆえかもしれないと、反省はしなくもナイのだが‥‥
女性教員が少ないのも、教師というのは職場結婚が結構多いと思うので、子供が生まれた場合に、二人共かなり遅くまで仕事が出来るというのは、どちらかの親が孫を世話してくれる以外に、物理的に無理でしょうから、中には妻を教師のまま自分が退職という方も存在しなくはナイと思うが、通常は女性の方が教師を退職という方が多いのではないかと。
ちなみに、中学生は荒れていた時代もあったそうなので、そういう場合に女性が勤めるかと思うと、『教育は女性に任せられない』という意識があるからとの理由では説明しきれないだろう。
少なくとも、全く尊女卑ではナイとまでは言えなくとも、他の県よりはリベラルだと昔から思っている(昔から、男女混合名簿だったりする)ので。
Posted by seitaisikoyuri at
22:42
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