久しぶりに鎌田慧さんの本を読んでみました。大好きなノンフィクションライターの方です。
ひとを大事にしない日本
序章にこんなことが、書かれています。
「市場原理主義」とは、弱肉強食の論理をやや上品にいっているだけのことだ。世界の富をひとり占めするために、敗者をどんどんふやしていて、なんらこころを傷めることのない連中が世界を支配しているかぎり、テロリストを産みだす無限の憎しみをなくすことはできない。
ひとりの男を捕まえて殺すために、なん百億ドルものカネをかけ、なん万人もの兵隊を送り込み、なん万トンもの爆弾を投下し、なん千人もの人間を殺し、なん百万人もの膨大な人間を、明日をも知れぬ難民にしている。家と仕事を奪われ、恐怖と飢えと寒さのなかから、憎しみの火がさらにひろがっているのは、かんたんに想像できる。
と‥‥人間が環境破壊しているコトにも、強い憤りを感じた文章を書かれています。
山の中で生まれ育ったワタシが言えるコトは、土砂崩れの大半は、無理なコトをしたのが一番の原因だと思います。
道を広げようと、斜面を削った途端に山が崩落するコトがあります。これは、効きドコの岩を取り除いてしまったコトが最大の原因だったりします。
将棋のコマを使った遊びの中に、将棋のコマを山積みして、山を崩さずにコマを取り出したら、そのコマは自分のモノ、崩したら交代するという遊びがありますが、それと似ています。
人間には、それが大切なのかどうか判らなくても、自然は大切なモノが無くなれば、それなりにします。自然は、人間の都合を考えてくれるワケではありませんから‥‥
まだ、3割くらいしか読み進んでいませんが、頷くコトばかりです。開発や便利さと引き換えに、人間は失ったものも大きいと思います。日本の平均寿命が短くなったと、ネットニュースで読みました。インフルエンザだけでなく、自殺の増加、自然環境の悪化も、その要因の一つではないかと思います。自然を壊せば、人間も破綻して行かなくてはならないのだと思います‥‥