2006年10月12日

キレることと自己愛

今日の朝はとても寒くて、冬近しと思いましたが、昼ごろから晴れて「小春日和」の一日になりました。秋は本当に天気が変わりやすいので、皆様、くれぐれも体調にお気を付けください。では、本題です。

自己愛にも、健全な自己愛と不健全な自己愛があるといわれているそうです。問題になるのは、不健全な自己愛。実力もないのにプライドだけが高い。実は自信もないのに、人を人とも思わないような横柄な態度をとる。自己中心の勝手な論理で行動する。他人を思いやるような共感性に欠けている…こういう自己愛は不健全な自己愛といえるだろう。この不健全なナルシストが増えているのである。

彼らの特徴はバルネラビリティと呼ばれる独特の「傷つきやすさ」を持っていることである。彼らは対人関係で非常に傷つきやすい。キレる若者の背景には、実はこの「傷つきやすさ」が存在するのである。

なぜ、こういうナルシストができあがるのだろうか。それについては、親自身がナルシストであるという指摘がある。自己中心的な親は、自分の願望を子どもに一方的に押しつける。この「一方的に」というところが問題である。これが悪しき自己愛を生む一つの要因なのである。

つまり、親から一方的に過剰な期待や願望を押しつけられると、子どもたちは本当の自分を生きることができなくなる。親の道具として偽りの自分を形成するわけで、それは自己中心的なナルシストを生み出していくのである。

このような悪しき自己愛化は、共感性の乏しい自己中心的な人格、脆弱で傷つきやすいナルシストをつくり上げていく。彼らは往々にして尊大な態度をとるが、それは弱々しい真の自分の上に肥大した偽りの自分が乗っているからである。実際は、ちょっとした非難や批判にぐらぐらと揺れている。彼らが自分の意見を少しでもけなされるとひどく怒りを爆発させるのはこのためなのである。

このような怒りの爆発は「自己愛的激怒(憤怒)」と呼ばれている。最近の若者の「キレる」現象は、まさにこの自己愛的激怒と関係があるといって良い。この衝動に対する制御不全は少年たちの非行の凶悪化とも関係がある。

現在、少年非行の凶悪化と社会的ひきこもりが大きな問題となっている。この二つの問題の背景には、「傷つきやすさ」という共通の問題が横たわっている。傷つきを避けるために閉じこもるか、あるいは逆に、尊大な態度で自己を防衛する。一見対照的な二つの現象の背景には、共通の問題が存在しているのである。

こういう人、歳をとった老人にもいらっしゃいますけど、気の毒な方だったのですね。
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