2006年11月10日

幸福感は「金」の問題だけではナイ!!

ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスが一九九八年に行った「世界幸福調査」にでは、インドが世界で五番目に幸福な国であり、イギリスは三二位、合衆国は四六位だった。ガーナ、ラトビア、クロアチア、エストニアが合衆国より上位に位置した。オーストラリア、オランダ、スイス、カナダ、日本を含む豊かな国々の人々は、ドミニカ共和国やアルメニアの人々より幸福だと感じていなかった。

もちろん、資源(あるいは所得)と幸福感の間には関係がある。貧しい国々では、所得のわずかな増加が生活様式やライフチャンスの大きな改善につながる。だが、一定のレベルを超えると、直接的な関係は崩れる。豊かな国の幸福感は、緊密な人間関係、健康、仕事への満足度によって決まる。

闇経済で金ぴかになった子供たちは、子供の頃から買えるものは何でも与えられている。彼らは全てにおいて最高のものを手に入れているが、必要なものと気まぐれとの区別がつかず、両方に同じ優先順位を与える。欲求不満への耐性がなく、挑発されると危険なほどにかんしゃくを起こす。わがままな彼らは薬物に手を出し、時に悲劇的な結末を迎える。
年長者や知恵への敬意もなく、価値を置くのは金の力だけである。
彼らの両親は、不正行為、利益供与、汚職、詐欺、架空請求、投機、高値取引で金持ちになり、こうした罪の赦しを、子供たちを通じて求めてきた。
だが、時に彼らは、一八歳の誕生日に買ってやった車の残骸の中で破損した遺体を確認するために呼び出される。留置場に入れられた、薬物で異常をきたした若者が、何不自由なく育った自分の大切な子供かどうか確認するために、警察に呼ばれる。

インドの先住民、ウォーリ族の多くは読み書きはできないが、数え切れないほどの世代にわたって親から子へと口伝で伝えられた膨大な知識を持っている。だが、支配的な社会は、彼らの識字能力のなさを無知と同一視する。
一二歳の少女は、百を越える草、潅木、樹木の名前とそれらのさまざまな使い方を知っている。穀物中心の彼女の食生活を補い、必須たんぱく質、ビタミン、ミネラルの摂取に役立てている。どの植物から繊維がとれるか、どれが燃料や灯りになるか、どれが薬として使えるかを知っている。

著者は、非識字がいいと言っているわけではないが、もう少し寛大な見方があっていいだろうと言うのである。ウォーリ族に見られる記憶の弾力性、精神の俊敏さ、足元の確かさは、知性の指標である。貧困を金銭だけで測定するという大雑把なやり方では、人間のもつ無形で賢く美しいものを評価できない。グローバリゼーションは、これらを根絶しようとしているのである。
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