「すごくイイ本なのに、全然話題にナラナイ本がココにもあるんですよ 」とメールを頂いた。即決で買う決心をして、読んでとっても感動されたのだそうだ。マタマタ、読みたい本が出て来てしまった。
ついでに、その本のコトを書いてある田口ランディ公式ブログまで教えてくださった。少しソコから抜粋させて頂くと(全文は飛んでお読みください)
藤原新也さんの新刊「黄泉の犬」を読んだ。
衝撃的な素晴らしい本だった。しかし、なぜかマスコミの反応は冷たく書評も出ていなければ、藤原さんのホームページの書き込みによると「反応は不気味なほど静かだ」という。
マスメディアが無視する原因はこの本に書かれている内容だろうか。
ここには「麻原彰晃は水俣病(だったのではないか?)」という仮説と、それを裏付ける藤原さんの「麻原彰晃の実兄の証言」が掲載されている。
しかし、この本の核心は麻原彰晃と水俣病の関係を証明することではない。このことは麻原彰晃という人物を知るためのバックグラウンドの一つにすぎない。「黄泉の犬」が問いかけているのは「今、この時代を生きる私たちの有り様」であり、オウム真理教という宗教集団に入信していった者たちのなかに、私たちがいかに「よりよく生きたいと願い、もがいている存在か」を見ているのだ。もがけばもがくほど、この社会の恐るべきラーメン構造のなかに入れ子にされてがんじがらめになってしまう私たちの「寄る辺なさ」に、近代の断末魔を見ているのだった。
あえて補足しておくけれども「水俣病」という公害事件は、チッソという一企業が有機水銀を含む排水を海に垂れ流し、それによって海の生物・魚が汚染され、食物連鎖によって環境が破壊され、鳥、猫、植物、そしてついに人間が汚染された事件である。
戦後最大の公害事件であり、その被害者は2万人を超えるものと見られる。なぜそのように被害が拡大したのか。それは、原因企業であるチッソが、日本の高度成長を支える大変に重要な役割を担っていたからだ。
チッソは当時、日本の産業にもっとも必要とされたプラスチック製品の原料を作っていたため、国や県はチッソの操業を停止させることは国家的な損失と考え、その責任を隠ぺいしたのだ。国益重視のために地方の漁民を切り捨てたと言いきってよい政策に出た。そのため水俣病の原因特定は遅れ、およそ10年間にも渡って被害者が続出するなかで有機水銀は海に流され続けた。早い時期に操業を停止していれば汚染範囲がこれほど拡大することはなかったが、行政は経済成長を国民の生命の安全よりも重視して、見て見ぬふりを通したのだった。
コレを読んでも判る様に、大多数の利益のタメに、少数の犠牲は仕方ナイ。これが国の論理ではないかとワタシは思います。
その延長線上に、耐震偽造事件とか、今頃になって蒸し返されている拉致事件とかがあり、それを推し進めようとするタメに、教育基本法の改正等々があるのではないか。
そうした国の政策に無関心でいたら、将来、自分がその少数派に入れられて、犠牲を強いられるかもしれません。それが、イヤなのであれば、まだ言論の自由が失われつつあるものの、残されている今こそ、「No!」と声を上げるべきなのではないかと思うのですが‥‥