武器なき戦争
6カ国協議も決着しましたが、そういう問題を裏側から見ると、マタ違った目で見えてきます。
インテリジェンス 武器なき戦争NHKワシントン特派員だった手嶋龍一さんと、この前「
自壊する帝国」で紹介した外務省を現在起訴休職中の佐藤優さんの対談集です。
ちなみに判りやすく「インテリジェンス」を翻訳すると「スパイ」が同義語でしょうか。「007」みたいに格好良くはナイけれど、諜報機関関係というか、「諜報」能力に長けた人達の総称と考えて頂いて、イイと思います。(詳しく知りたい方は本を)
「国際的な情報分析を任務とする人」、だと思ってください。それは外交だったり、テロや戦争、紛争の抑止などを目的とし、各国が母国の利益のタメにしのぎを削る情報合戦です。
ともあれ、この本では「太平洋戦争の末期、ヤルタ会談の密約、つまりソ連の対日参戦という重大情報を小野寺少将が掴み、日本に打電したけれども、極秘情報を受け取ったという記録が日本側のどこを探しても見当たらない。その内容があまりに衝撃的であり、日本の将来にとって悲観すべきものであったため、誰かが握りつぶしたのでしょう。」と書いてありますが、ともあれ、ソ連参戦の情報は、戦地からでも充分収集可能でした。
何故、そんなコトを知っているかと言うと、父親が参謀部附の情報主任として前線にあり、五月下旬の全満州の師団参謀長会議に出席した上司の参謀長にも、ソ連軍は完全に戦争準備体制に入ったと報告し、参戦があると知りつつ、ソ連の攻撃を八月九日に受けたのです。
父は、『スパイ』と疑われて殺されそうにもなったのですが、「諜報は特務機関であり、向地視察情報を扱っていただけだ」という弁明が聞き入れられて生き延びたから、ワタシもこの世に生きています。
生死というものは、紙一重だったりするコトもあるワケで、やはり戦争をしないのが一番だと思います。
ともあれ、戦争を回避するにも、「情報戦」の様な、色々な方法があったりするワケで、明日はもっと本に添って。
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Posted by seitaisikoyuri at 22:13│
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戦争はほぼ確実に”死”につながりますからね。
ただ自分は武力を持つことが即戦争にはつながらないと思ってるので、頭から武装反対には反対ですが。
武器は人を殺す道具だけど同時に命を目前で守るものでもあるから。
結局は使う人・使う人たち・使わせる人たちにもよるんですけどね、自分でふっといてアレですが難しいですよね;;
それを最小限に防ぐということで、聞こえは悪いですがスパイなどが活躍する情報戦はものすごい比重が大きいと思ってます。
小太郎さん、情報戦の比重はマスマス高まるとワタシも思います。
スイスは永世中立国ではありますが、誰もが有事の際は、武器を取る準備があり、万が一の時はNATOが軍用機を飛ばして、応援してくれる手はずになっていると、若いコロ、聞いたコトがあります。
「兵法」にもありますが、「戦わずして勝つのが上の上で、戦って勝つのが下の下」というコトだと思います。
タダ、それをどう運用するのか、という問題は残りますし、無辜の人間を巻き込まないタメに、どうすべきか。「テロ抑止と冤罪防止」のバランスが問題かと思います。
「インテリジェンス 武器なき戦争」で検索して、こちらに来ました。とても中味の濃い、面白い本ですよね。
昨日のニュースでも、日朝交渉のあっけない終わり方などが報道されてましたが、佐藤優さんだったら、一刀両断でしょうね。。。本の中でも、「日朝交渉に関わった役人が異動になったり、退職して評論家になったりで、誰も責任をとってない。こんな外務省は組織として終わってる」という意見もありました。
佐藤さんや手嶋さんのような、能力の高い人たちを、しっかり活かしてほしいなぁ、と思います。
トラックバック出来なかったので、良かったら、コメント欄に残したブログ・アドレスから、立ち寄ってみて下さいね。
ブログ内の他の記事もいくつか拝見しました。ニュースや話題の本、社会問題などに、様々な考察をされていて、とても勉強になりました。また、お邪魔したいと思います。
RIKAさん、初コメントありがとうございました!!
素敵なブログですね。後でもっとゆっくり御邪魔します。今日は忙しかったので、コメント返しが遅くなってスミマセンでした。
北朝鮮の思惑通りに進みそうですが、アメリカも一筋縄ではいかないだろうと思います。それにしても、虚々実々の戦いは日本はとても下手だと思います。
トラックバックも出来るハズですが‥‥公開にしないと、ダメな設定になってます。変な人が多いのでスミマセン。