2007年06月11日

統計にダマされないタメに

毎日、毎日、やるせないニュースが続いています。今日も、「仕事がナイので、猟銃自殺」とかね‥‥

そういう原因はドコにあるんでしょうね? 結局、「汗をかいた人が報われる社会に」というスローガンは、「上手く世の中を世渡りした人が報われる社会」になっただけだし、「実際に汗をかいてる人々の収入は減るばかり」の人が多いのだけれど‥‥
統計はこうしてウソをつく―だまされないための統計学入門
昨日、ちょっとした待ち時間に、パパッと読んだのですが、妙に印象に残った本です。

ダマされやすい日本人には、うってつけの本かもしれません。

では、第一問、「米国では毎年15万人の女性が拒食症で死んでいる」という文を読んで、何を思うのか?

『そんなに死ねるだろうか?』と思った皆さん、大正解です。これは、拒食症の人の数と死亡者がごっちゃになったミスから出た誤りだと思われます。

第二問、「米国の聖職者の6パーセントは、少年を愛したコト(具体的に書きづらいですが、実行したコトがあるという意味)がある」という数字は、「未成年に対して欲望を抱いたコト(空想だけ)がある」という数字が、未成年がもっと若い年代を指し、単なる空想だったものが、実行したコトにすり返られてしまったのです。

それから「銃で殺される人の数は倍増している」というのと、「銃で殺される人の数は年ごとに倍になっている」というのは、似ている様で全く違う。前のは、「あるスパンで倍になっている」のだし、後のは「本当に毎年、倍になっていたら、何十年もすれば天文学的数字になってしまう」ハズのコトを述べてます。(後のは、前の統計を誤って理解して誤記しただけでしょう)

統計を信じ過ぎると怖いですよね。ともあれ、「一年で5000万件を処理」などというのも、似たたぐいでしょう。大言壮語するのはイイのですが、希望と現実に出来そうなのとがゴチャマゼになっていると思います。

ともあれ、こうやって庶民はダマされていきます。日本の失業率は「職探し」をしない人は含まないですし、パートをしていて正社員の職を探している人の数も換算されませんからね。薄給でギリギリで暮らしている人も、過労死で死にそうになりながら働いている人の数も、全然、表面には出て来ない数字だったりするワケで‥‥

全世帯のの貯蓄額が増えたと言っても、金持ちがさらに金持ちになって金額を押し上げたかもしれないし、将来が不安で食べるものも食べず、着るものも買わずで爪に火をともすようにして、貯めている人がいるのかもしれないし、本当のトコは全然見えて来ないのが現状です。

著者は、統計の数字にも必ず「本当に実態を伝えようとしている正確な統計なのか」、「実態をゴマかそうとして使っている統計か」を見抜くコトが大事だと述べていました。一般に、間違ったインパクトのある数字の方が一人歩きしやすいものだそうです。

結局、ダマされて泣くのは、アナタ自身なのですから‥‥
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この記事へのコメント
いい方一つで意味変わるんですよね〜。
一年で5千万件処理!なんて断言しなくても、結局やるのは下なんだから出来ないことだってあるだろうし。
勝手な上司って嫌いだな^^;

言いかた変えたら国民も野党ももう少し柔和になるだろうに;;
Posted by 小太郎 at 2007年06月11日 17:36
小太郎さん、おそらく確実に無理だと思います。一日に処理している件数をTVできいていると、一人あたり30分くらいの時間がかかるそうです。一日、10時間労働としても、職員一人あたり約20人。

必ずしも社会保険庁を尋ねる人ばかりじゃナイでしょうから、受給者全員に、まず「こんな感じになってますけど合ってますか?」と尋ねないと、違うと言っていく人々もその内に減るでしょうからね。

合っている人が確認しているかもしれない可能性もあるのだと思うと、マスマス無理だろうと思ってしまいます。

とりあえず「参議院選挙までシノげばイイ」という魂胆が見え見えなのですが‥‥
Posted by koyuri at 2007年06月11日 19:58
参議院選挙までしのげば何とかなるって・・

国民は何を信じればいいの?

ワーキングプアって働いても働いても・・

子供の保育代に消えてしまったり・・

天下りで退職金何回ももらって何億って稼ぐ人・・

社保庁の元長官なんか人事みたいだったね。
Posted by 松じゅん at 2007年06月11日 22:20
松じゅんさん、閣僚並びに官僚の発言は「他人のコトなど知らないよ」と言っているに過ぎナイと思います。

だって、年金だって月に何十万と貰う方々なんですから。

国民年金など、満額納めても十万円にも満たず、生活保護よりも低水準なのですから、月に数千円の違いでも必死になるでしょう。(なので、ワーキング・プアの人なら今、生きるタメにお金を使い、歳をしたら生活保護と考えても無理ナイのではありますが、そんなコトしてたら、社会保障なんて出来なくなってしまいます。だから、長い目で見れば、長期的に安定雇用した方がイイのだけれど、出来ないトコはともかく、出来るトコでも採用を減らし、短期雇用にするのは、将来を考えるとマイナスです。でも、全て場当たり的な施策ですから)

理想的な社会の確立という、長期ビジョンが無ければ、本当に「日本崩壊」が現実になるかもしれません。
Posted by koyuri at 2007年06月12日 09:58
ダマされやすい私たち。
パソコンの仲間入りして2年目。まぁー毎日何十通ものメール、そのほとんどが「ウマイ話」ばかり・・・。そんなにウマイ話ってあるのでしょうか。
そして次は政治です。おっしゃる通りこの国には長期ビジョンがありません。すべてが場当たり的のように思うのです。
一億何千万人の国民がドロ船に乗っているようで、やがて日本丸は沈没するかもしれませんね。
Posted by takachan at 2007年06月13日 07:04
takachanさん、そんなにウマイ話ばかりの世の中だったら、日本中が「バブル」の頃の様に、活気付いているハズですね。

5000万件の話はどうも、この一年で解消するのではナク、この一年でそれに対応するソフトを作って、来年から徐々に直して行くというのが本当らしいのですが(「きっこの日記」というブログによると)全然、報道によって違った感じにミスリードされていますよね。

まずは個人個人に年金の過去の支払い状況の確認をしたら、よかろうにとワタシなんかは思います。そして、マズ年金を貰っている人や、これからスグ貰う人から、シラミ潰しに調べて、徐々に若い人に行けばイイので、拙速するよりも、地道に正確にというコトが大事だと思うのですが、選挙の方を向いているので大風呂敷の方が喜ばれるのでしょうね‥‥
Posted by koyuri at 2007年06月13日 08:10
 
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