2007年07月04日

「精神が病む」ということ・2

本の話に戻ると、様々にデフォルメした形で、精神が崩壊していくまでの軌跡が書かれているのだが、そういう話は、今、少し追い詰められていると感じている人に読んで頂くとして、最終章の中の言葉を引用したい。
貧しさというのは、人生における選択肢がわずかしか与えられないということである。自分をとりまく状況に対して、力があまりないということでもある。

だから人は、貧しさの中で見つけたほんの少しの可能性にすべてを懸ける。そして本当の物語というものは、人が己のすべてを懸けた時にだけ生まれるものなのである。

まず選ばなければ何事も始まりはしない。しかし現在、この豊かで選択肢の多い時代に、人々は選ぶことに臆病すぎはしないだろうか。
歴史を振り返れば、本当に大変な時代があった。考えてみれば、今に不満はそれなりにあるものの、過去の時代よりも今のトコロは、一番自由な時代になっていると思う。

不自由な時代が良かったなどと、決して口にするつもりはナイ。だが、「自由と権利」を持て余している人が多いコトも確かだ。

自分で人生の選択が出来ずに、宗教にすがる人もいるし、仕事にすがる人、何かに依存する人など、それは様々だ。

しかし、自分の人生の選択は、最初は例えそれが強制されたものだったとしても、自力で道を切り拓いて行こうとさえすれば、自分のモノになる。

自分で道を切り拓いているつもりだったのに、実は強制されたモノだったと気付く時に、人は神経のバランスを崩しやすいのではないだろうか?


世の中には、辛いコトも一杯あるし、ストレスだってドッサリある。でも、そういうコトを分かち合える人が少なくてもイイから存在すれば、人はそれなりに大変な時期をやり過ごすコトが出来る。

読書というものは、著者と読者の想像力の戦いだと思う。タダ、受け身に著者の言い分だけを聞く人もあるだろうが、「イヤ、これは違うだろう」とか、「なるほど、ココをこうすれば」などと人生のヒントを掴む人もいるかもしれない。

つまり、作者の考え方に対して自分が色々と反応するコトで、自分が変化する。つまり、本は「自分を変えるタメの媒体」に過ぎず、結局、自分と自分が対話しているのかもしれないと思う。何だか、判りにくいコトを書いている様だが、自分があり、それと類似したり、真逆だったりする意見があるから、自分が触発されるコトがあるのだと思う。

ちなみに、こうして本を読むコトがワタシの一番の健康法なのだが、人には其々の健康法があるだろう。ともあれ、それらを駆使しても、精神のバランスを取り損ねる時がある。その時こそが、「精神を病む」というコトであり、それは決して特異なコトではないのだと、しみじみと思わせてくれる本でした。
人気blogランキングへ←応援よろしくお願いいたします

この記事へのトラックバックURL

http://trackback.blogsys.jp/livedoor/seitaisikoyuri/50639231
この記事へのコメント
koyuriさんは本当にたくさん本を読んで・いつも
問題意識をきちんと持ってらっしゃいますね。

毎日毎日・・考えてるのが・・スゴスギ・・

ちょっと何にも考えない日を作って・・ボーとする日も
作ってください。
Posted by 松じゅん at 2007年07月04日 19:16
松じゅんさん、御心配ありがとうございます!!

ただ、ボーとしている日もあります。前は、毎日二回更新してましたから、駄目でしたけど。

こういう連載モノは、話の組み立てをあまり考えないので、濃い内容の本に当たるとラッキーだったりします。(軽い小説などを気分転換に読めますし。書くべきレベルに達してないと思う本は読んでも、全く書き込みしませんから、ハズレが続くとかなり大変です)

ちなみに、やたら引用している時は、頭がボケボケしてるんだと思ってください。

しかし、引用し過ぎるとせっかく本を書いた人の御迷惑になるので、良い本を読みたいがタメに、要所、要所しか書き込みしてません。

良質な本が売れず、売れ筋の本ばかりになると、将来読書がつまらなくなりますから。
Posted by koyuri at 2007年07月04日 21:46
私にとってはスポーツが精神のバランスを保つものかな。
精神が病むことは生きていれば当然あることですよね。
しかしkoyuriさんって、本読むの早いですね〜。感心!
Posted by ナミナミ at 2007年07月04日 22:18
「貧しさというのは、人生における選択肢がわずかしか与えられないということである。」
う〜ん、この定義にはうなづいてしまいます。
そして、この「選択肢がわずかである」ということは必ずしも不幸なことではないのですね。
不幸は別のところにあるんですね。

「作者の考え方に対して自分が色々と反応するコト〜」
そ、そうですね。

繰り返して書くだけになってしまってごめんなさい。
盛りだくさんのメッセージに感じ入ってしまいました。
Posted by セサミ at 2007年07月04日 22:55
ナミナミさん、スポーツもイイですね。お上手だし。

ともあれ、何事もやり過ぎは禁物です。お身体大切になさってくださいね。

読み過ぎも身体に毒かもしれません‥‥(ちなみにハズれたと思う本は、あまり深く考えるコトもナク、内容だけを速読してしまいますから)
Posted by koyuri at 2007年07月05日 07:57
セサミさん、言われてみれば「コロンブスの卵」みたいに、何だか「当たり前」過ぎるコトなのに、そう言われてみれば「そうか、そんな考え方があるんだ」とか、「そういう見方をすれば、違った生き方が出来る」というコトは沢山あります。

今まで似た様なコトを考えていたのに、人に話そうとすると上手く伝えられなかったのに、系統だって書かれていると、「そうか、こう話せばイイのだ」と教えられたり。

イイ本は、色々な素敵なメッセージを与えてくれます。そして、それを上手く自分の中で変形できると、血となり肉となって(?)何時までも、心に残ります。

これからの時代は、「自由を自らどう律するか」というコトになりそうですね。難しい課題ですが‥‥
Posted by koyuri at 2007年07月05日 08:13
 
にほんブログ村 健康ブログへ