さて、本日ガラッと変わった本の話です。この本、パスしてしまおうかとも思ったのですが、やっぱりこういう方々が居るから、世の中の進歩があるのだと思うので、敬意を表して書き込んでおきます。
実録 死体農場
「実録」とあるので、「?」と思って手に取ったのですが、どうも、パトリシア・コーンウェルの「検屍官」シリーズ『死体農場』というのがテレビで話題になったので、そのモデルになった法医学施設の実録をノンフィクションでとなったみたいです。
日本でも話題になっている「保険金殺人」かどうかを暴くタメには、法医学や人類学が必要になるのですが、米国で活躍する人の半数が、影響を受けたと言われるホドの人物の話です。
おそらく五人を殺害したと思われる人物が居ても、それを立証できなければ無罪になってしまいます。
米国では、多くの生命保険は二年の待機期間がもうけられているそうだが、自分で殺したであろう仕事上のパートナーの保険金が支払えないと言われた時に、「待機期間は知らされてなかった」として、保険金を訴えるぐらいの人物だから、普通では信じられない行動を取る。
二人のビジネスパートナーを殺した可能性は合っても、逮捕されなかった男は、再婚した妻の息子とその妻を刺殺し、その子供の四歳の幼児を絞殺した疑いで逮捕され、裁かれた。モチロン、保険金が目的だったのだが。
人間の遺体が、どう損傷するかというコトを調べるタメに、死体を自らの献身的な選択として、死体農場(これは通称であり、正式名称ではナイ、正式にはテネシー大学人類学研究施設)に死の何ヶ月、場合によっては何年も前に予約して、寄贈した人々の肉体を様々な状況で、どう変化するか研究する施設があるのは、ビックリだったが、その研究結果が決め手となって、殺人鬼は有罪となった。(詳しく知りたい方は本で)
我々が知らない所で、地道な研究が進められているから、色々なコトが判るのだとは理解したのだが、あまりホラー関係の話を好まないワタシには、書いててあまり楽しくはナイ話題であった。
少なくとも、悪事はやがて露見する可能性が極めて高いのだから、やはり人間は、真っ当に生きるのが一番良いのだと改めて思ったが、幾ら人類のタメになっても、ちょっと敬遠したい様な職業に就いて、日夜、努力している人がいるのだと感服した。