2007年10月04日

人生最後の砦って‥‥

「福祉の最後の砦」でもある場所が、なんと刑務所だなんて、世の中ホントに変。刑務所が過剰収容になっている現実を思うと、ドッと疲れが‥‥
犯罪不安社会 誰もが「不審者」? (光文社新書)
この本の中の「厳罰化がつくり出した刑務所の現実」を読んで驚いたなんてもんじゃナイ。

刑務所の人員は過剰と言われる位なのに、懲役刑という強制労働を科せる元気な受刑者が不足しているという現実。

ほとんどの受刑者が何かしら作業場の支障をもたらす問題を抱えている、高齢者とか障害者とか日本語がしゃべれない外国人なのだそうだ。

本当に凶悪な犯罪を犯した者は受刑者の一部、社会的サポートがなく、何らかのハンディキャップを持っているため社会で自立できない人たちが、食うに困って万引きして、刑務所に収監というコトが、起きているらしい。

経済不況の緊縮財政下において治安維持費を増額するために、福祉・教育予算が犠牲になっていて、それゆえに刑務所に収監される人物が増えているとしたら、まるで馬鹿みたいな話だ。

フィンランドの様に、所得格差が少なく、社会保障費の割合が高く、人や社会に信頼感を持っている国ほど、刑務所人口が少ないというのに‥‥

刑務官は、高齢な受刑者が増えるに従って、病死する受刑者が増え(受刑によって死亡したのではナク、一般社会で死亡するハズの人が、刑務所で死亡する様になったという呆れた現実ゆえに)ても、それが仕事というコトで、受け入れを拒否したり、たらい回しをするコトも出来ず、最期をみとり、死亡後には、出来る限りの手段を駆使して親族を捜し、遺体の引き取りを拒否した場合は、刑務所で葬式をして、遺骨を墓地に埋葬し、年に数回の墓参りも欠かさないのだという。
これほど面倒見の良い場所はほかに存在しないのではないだろうか。
と著者に言わしめているのだが、コレって本末転倒ですよね。
地域社会(コミュニティ)がセイフティーネットからこぼれた社会的弱者を不気味な不審者として排除する以上、不審者の行き着くところは、山や無人島にこもるか、何か違法行為をして警察に捕まるしかない。
いったん刑事司法の手続きの流れにのってしまうと、後は、他に受け入れ先がない限り、絶対に受け入れを拒否しない刑務所に集まるのは自然な成り行き
だとするならば、日本が進むべき道は、単なる厳罰化だけで刑務所だらけの国になるのか、それとも、フィンランドの様な国を目指すべきなのか、答えは自ずから出て来ると思うのだが‥‥
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この記事へのコメント
これよく考えてますけど刑務所に入りたいから罪を犯すってどういう感覚なんでしょう。
それを結果サポートしてるやつらも。
だいたい刑務所の居心地良くしてどうすんだ!
前にテレビ見ながら憤慨してたけど。。
だから日本は犯罪者に優しい国ってとんでもない国って吼えてるんですよ!
どうせならがっつり犯罪者にやさしい刑務所作ってみんな終身刑にして老後まで面倒見りゃいいんだ!

ってちょっと興奮しやすい話題の一つですね^^;
Posted by 小太郎 at 2007年10月05日 00:09
おはようございます、koyuriさん。
ほんとに悲しい現実ですよね。わが町にも今、大きな拘置所なんですけど建設中です。
福祉政策の貧しさでしょうか。結局は政治の貧困なのでしょうか。考えさせられます。そして今の社会の凝縮も感じます。
Posted by takachan at 2007年10月05日 06:52
人生最後の砦って‥‥
病院か自宅か?

の選択だと題だけ見て勝手に思ってました・・

刑務所だったとは・・
Posted by 松じゅん at 2007年10月05日 08:07
小太郎さん、刑務所入りたいからというよりも、餓死しそうで何か食べたいと思って、スーパーのモノを食べてしまう。それも大したモノじゃないんですけど。

ともあれ、万引は窃盗ですから誰も引き取りに来なければ、スーパーも警察に通報するしかナイですよね。そのまま許せば、マタ、お腹が空いたからと何かを食べられてしまうかもしれませんし、すると例えば「おでんの竹輪」をつまみ食いしてしまったというだけでも、刑務所に送られる可能性はあるのです。

そういう人は、出所しても保証人もナク、職にも就けませんから、そういうコトの繰り返しになってしまうのだそうです。

大金をダマし取ったり、貰ってはイケナイお金を貰っても、地位のある人はナカナカ刑務所に入らずに済みますけど。

生活保護を与えるよりも、刑務所暮らししておくれという政策なんですから、どうしようもありませんね。
Posted by koyuri at 2007年10月05日 19:06
takachanさん、これが「新自由主義」というヤツの行き着く先です。

弱者は餓死したくなければ、生活保護を断られたら、死刑にならない様な、犯罪者になれと言われているに等しいのです。

聴覚に障害がある人とか、幻聴が聞こえる人とか、それでも生かしたいと思う家族がナク、世の中から切り捨てられた人々にとって、生きていける場所は、最早、刑務所しか残されてナイみたいです。

福祉福政策の貧しさであり、政治の貧困の結果でしょう。富める者が、貧者のタメに寄付をするのは当然という考え方は、日本にはホトンドありませんしね‥‥
Posted by koyuri at 2007年10月05日 19:13
松じゅんさん、普通は『病院か自宅』と思いますよね。

世の中は、そんな甘いもんじゃナイみたいです。

刑務所に入らなくても、食べていけるというコトは、それだけで幸せなのかもしれないと思いました。
Posted by koyuri at 2007年10月05日 19:15
 
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