2009年05月15日

神に魅入られる人々

今まで読んだ宗教の事件に関する本の中で、一番感銘を受けた本かもしれません。

宗教事件の内側―精神を呪縛される人びと宗教事件の内側―精神を呪縛される人びと

どうして、オウム真理教の幹部の人々は殺人をするコトが簡単に出来る様になってしまったのか。その洗脳の過程が克明に描かれています。

統一教会にどうして、一億を超えるお金をつぎ込んでしまったのかとか、セミナーや教団が一般の人々の心の隙間にどうやって入り込み、お布施という形以外にもありとあらゆる形で集金するシステムになっているのかを順序立てて書いてあるので、入信した人々は自分とは全く無関係だと思っている人にとっても、人生のエア・ポケットでうっかり近付かれたら思わず、取りこまれてしまうかもという用心をするタメに、一読しておいた方がイイかも。

死んだ人を蘇生させるなどという事件も数多くありましたが、それらもやはり狂信というか、妄信のなせるワザ。

生死という感覚を、曖昧にされ超えるべきではナイ一線を簡単に踏み越えてしまうのかもしれません。

そういう意味では、究極の恋愛小説である

親指の恋人親指の恋人

こちらと好対照かも。要するに、自分という存在を神に投影するのか、恋人に投影するのかの違いだけで。

ともあれ、他人に自分を同一視することの危険性とその魔力をどちらも全く別の形で描いてます。

地に足を付けて歩こうとしないと、足元をすくわれるのだなというコトを双方の本で思いました。同じ日に読む本にしては、真逆そうでいて、結果は根が一緒だったという感じがしました。
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この記事へのコメント
家内は宗教法人からイラストの仕事を依頼されたことありましたが桁外れのギャラでした。
民間の10倍です。
お金持ちですね。
Posted by 俊樹 at 2009年05月16日 00:23
自分は大丈夫!と思ってるけど

それが一番危険かも

娘の成人式の着物   

飛び込みの業者に話術に乗せられて買ってしまったとき

娘にこんな高い買い物にすぐ乗ってしまうなんて

お母さんが一番危ない!と言われました
Posted by 松じゅん at 2009年05月16日 11:50
俊樹さん、宗派によって金払いには多少違いがあるらしいですが、大概の宗教法人の方々はものスゴク金払いが良いそうです。

長野でもかなりの宗教団体が、不況をものともせずに立派なお堂を建ててます。
Posted by koyuri at 2009年05月16日 20:43
松じゅんさん、「自分は大丈夫!と思ってる人が、一番危険」というコトは、数日前に読んだ「なぜ人は詐欺師にダマされるのか」という本にも書かれてました。

宗教の勧誘が、あまりに詐欺師の方法と類似しているので驚きました。とはいえ、あまり宗教団体をクサしても悪いのでこの辺にしておきます。
Posted by koyuri at 2009年05月16日 20:49
 
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