2009年12月07日

不公平だらけの社会制度

格差社会の何が問題なのか、どうすればある程度公正な社会が築けるのかという点について言及したという意味では、この著者の中ではかなりの傑作かと思うのが、こちらの本。

ワーキングプア時代ワーキングプア時代


社会学者と呼ばれている人々は、問題の指摘をするものの、それに対して処方箋を書くコトが少ない中で、著者の提唱する策が実現可能かどうかはさておき、こうしたらどうかという提案があるのは素晴らしいと思う。

タダ、「問題だ、問題だ」と言ってみたトコで、何にもならないのだから。

今の社会が、どう不公平なのかという部分を、正規職に就けた場合と、そうでナイ場合の差が激しいからと、給料と、年金に分けて簡潔に書かれている。

法律を作る官僚の方々のライフスタイルに合った制度になっていると常々思っているのだが、安定した正規雇用の妻の年金は払わずとも良くて、不安定な非正規雇用の妻が支払わなくてはならないのは変であるというコトは、もっと問題にされてもイイと思う。

専業主夫だった場合に、妻が死んでも厚生年金の遺族年金は支払われないのに、夫が死んだ場合は、遺族年金が支払われるというのも、男女平等ではナイだろう。世の中には、色々な夫婦の形態が存在するのだし。

高学歴でも、正規の職に就けなければ、ワーキング・プアになる可能性は高く、しかもそれはコネなどが左右しやすいというのも問題で、要するに格差問題というのは、本人が努力したとしても、親の違いが結果の違いになるというコトに集約されるのだと思う。

誰しも、親を選んで産まれて来るコトは出来ないワケで、それで人生の大半が決まってしまうのであれば、真面目に努力なんかせずに、「ギャンブル的な人生」を送るコトを選択してしまいかねない。

それでは、世の中が混乱するコトは必至である。

「真面目に働いた人が報われる社会」に完璧になるのは難しくても、ある程度はそうならなければ、社会として持たないだろうと改めて思った。
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