我々は、治療すれば病気は良くなるハズだと信じている。というか、そう思えばこそ、医療機関に出向くのだが「本当にそうなのか」というコトを丁寧に教えてくれる本。
治療をためらうあなたは 案外正しい EBMに学ぶ医者にかかる決断、かからない決断
自分で選択してから治療を受けるべきで、闇雲に医療を信じて治療すべきではナイと正直に書いてある本です。
おそらく、製薬会社の人からは、絶対に嫌われそうな本だと思いますが‥‥
要するに、血圧の薬を飲んでも、飲まなくても数字で見ると、そんなに脳卒中になるパーセンテージは変わらないのだというコトをまず知るべきだというコト。
七十歳の人が百人居たとして、十人しか脳卒中にならないのが、薬を飲んだら六人だけ脳卒中になるのが現実なのに、医療費を掛けたり、通院したりする時間などを考えた場合に、それでも薬を処方されたいですかというコトを、考えてから治療すべきだというのです。
ほんの少しだけでも、リスクを減らせるのであれば、医療費など全然惜しくないという人が居てもイイだろうし、そんな位の違いならば、お医者通いをして使うお金で何かを買ったり、旅行したいという方はそうしたらどうですかと。
コレステロールにしても、健診では二二〇以上を異常としてますが、実際には日本人の死亡の危険が一番低いのはコレステロール二六〇くらいの人たちかもしれないのに、それでも治療を望みますかと我々に問い掛けています。
インフルエンザにしても、ワクチンを打てば10%の人が掛かるのを7%に減らすだけ、感染したとして、薬を飲んでも平均して一日早く治るだけ、しかも副作用を覚悟しなくてはならないかもしれないのですが、それでも薬を飲むのですかと問い掛けてます。
別に、とにかく薬によって多少なりとも良くなるのであれば、それで構わないというのであれば、それはソレでイイというスタンスです。
要するに、自分で自分の身体をどう治したいのかというコトは、医師ではナク、患者が主体的に決めるべきという本です。
治療データを知って、自らどういう治療を望むのかを選択するというコトを、チャンと考える良いキッカケになる本だと思います。