2010年04月26日

最後の御挨拶

という題名にちょっと驚いて手にしたのが、こちら。

たぶん最後の御挨拶たぶん最後の御挨拶


小説かと思ったら、これから小説に打ち込むので最後のエッセイ集になる予定とのコト。

で、エッセイと言えば、思い出すのが大学時代に「エッセイなんて、小説家のカスみたいなもので、読むに値しない」という趣旨の発言をされた姉と同じ年の医学生の方が居たコト。

しかも、当時大好きだった川端康成のエッセイだったので、かなり憤慨したのですが、川端のホトンド全部の著作を読んでいたのに、対象のエッセイを知らなかったので上手く反論出来ずにイライラしていると、神戸の友人が「別に特殊な話じゃなくて、国語の教科書に出ていたよ」と教えてくれました。

ムキになって、エッセイの全集を読んで、そのエッセイを無事発見しましたが、当時国文を真面目にやっていた身の上としては、小説よりもエッセイの方が、著者の生の意見が聞けるので、かなり有難い作品だし、小説はフィクションなので、研究対象としては不向きだったりしたので‥‥(ちなみに、卒論は中世でしたので、無関係でしたし、改めて面と向かって反論するホド子供でも無かったので)

ともあれ、流れで思い出したのでネットでお名前と考えられる診療科目で検索をかけたら、福岡県で開業されていて、現在の顔写真もはっきり確認出来て、ナイス・ミドルにはなってらっしゃいましたが、どうも昔のイメージとは全く違うので、逆に流れた歳月の長さを感じてしまいました。

話は戻りますが、東野さんのエッセイも小説の裏話とか、本が売れない上に不正が横行しているコトに対するストレートな不満とかが書かれていて、小説にハマっている読者にとっては、最高のプレゼントかと。

なので、「たぶん」の部分に望みをかけて、小説を書くのが辛くなった老年になってからでも、「新たな御挨拶」をして欲しいなと思いました。

と、何十年前の「エッセイ不要論」に、今さら反論してどうなるものでもナイのですが、読書マニアの方々なら、必ずや「エッセイ必要論」に同調して頂けると思います。

違う著者とかの、下手な短編小説を読んでカリカリするよりは、面白いエッセイの方が、断然時間を得した気分になりますしね。

東野さんが、とても身近に感じられた本だったと思います。
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