フランス電力が、18日に専門家の派遣や原発事故に対応するロボットを含む資材130トンの搬送など独自の救援計画を発表したのに、日本側はこれを拒否したけれども、いよいよ困り果てて、10日後の昨日、フランスの原子力関連企業・機関に支援を要請したという。
フランス原子力安全局の局長は、今回の事故状況などから「30キロ圏外に汚染が広がり、農作物などにも影響が出ていることは明らか。汚染が100キロ圏に広がったとしても全く驚かない」とした上で、「(汚染除去などで)状況が管理できるまでに数年から数十年を要する」と警告しているそうだが、あまりに後手後手の対応に呆れ果ててしまう。
こういう話を聞いてどうしても思い出してしまうのが、泥沼になって行った太平洋戦争の顚末。
陸軍の安易な中国への侵攻により、戦線が拡大して収拾がつかなくなり、それでもまだ懲りずに南方に侵攻して、結局、敗北してしまったという歴史。
日本の歴史観は、自虐的だ批判する人が居るが、仕方無く戦争を始めたと主張する人達は、どうしてあんな無謀な戦争になり、どうしてあんな敗戦になったかの分析をしない。
ゆえに、感傷的で愛国心などを鼓舞する人々の話を聞いていたのでは、どうして二度と負けないかというコトが、さっぱり判らない。
せめて、何で負けたかの分析をして、どうしたら良かったのかというコトを冷静に判断すれば良かったのに、外国に裁かれ、そんな裁きは無効だという不毛な話になるだけ。
そういう意味では、自虐感から戦争をしないという人の方がまだマシと言えるかもしれないが‥‥
そうした延長上に、東京電力の指揮系統の破綻もある。
実戦を知らない上層部が、机上の空論をして計画を建て、失敗が明確になりそうになっても、自分で責任を取りたくナイから、問題が起きるまでは知らんぷりをして、追い詰められてから、応急処置をするだけ。
まるで戦後の様に壊滅的打撃を受けた地域、そして、その影響によりおそらくかなりの経済的打撃を全国的に受けるコトは確実だと思われる。
戦後、我々の親や祖父母世代はもっと過酷な状況から、何とか復興を成し遂げた。
それを思えば現在だとて、必ず復興は出来る。
しかし、残念ながら今の状況を考えると、あまり政府などに期待するよりも、民間の力を結集して自力で頑張る方が、より確実に復興出来るのかもしれないと思う‥‥