2011年05月28日

トップのあり方を考える

一応、ミステリー仕立てではあるのですが、正直、ミステリーとしては今一つな感じ、でも、会社という組織を理解するには優れていると思って、著者の履歴を見たら、京大の文学部卒で、金融機関に15年も勤めていたと判って納得の書。

本日の議題は誘拐本日の議題は誘拐


失敗する事業には三つの共通点があるとして、一つめが企画書、稟議書、提案書など名称を問わず、正式の書類には失敗に関する記述が無いので、何を持って目論見を外れたか、どこで方向転換をするのかや、失敗の規定、失敗時の対処方法について、ほとんどのケースで何一つ触れられてない。

二つめが、大きなプロジェクトでは、いい加減な前提と精緻な論理展開によって、基礎データに意図的な加工があるケースが非常に多いけど、審議会などの権威付けと一緒に提示されるので、誰も見ないで、意見が誘導されている。

三つめが、責任の過剰分散で、リスクが多くなると決裁書類のハンコが異常に増え、失敗した時に個人の責任が分散するので、誰も深刻に考えなくなる
というコト。

そう考えると、原子力の安全性など、正におっしゃる通り。

しかも、東電の最高責任者の社長が、地震当日は「関西財界人との会合のための出張」とは真っ赤な嘘で、平日に夫人、秘書同伴で奈良へ観光目的で出掛けていたというコトが報じられた。

こんな無責任な人々のタメに、国民が踏み付けられていると思うと、何と正しい経営分析の書かと、改めて思う。
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この記事へのコメント
組織が巨大化すると個々の責任が薄れるというのでは困りますね。重役となればそれなりの報酬を得ているはずですし、それだけ大きな責任を背負わないといけないと思いますね。
Posted by 鍼医K at 2011年05月28日 23:51
鍼医Kさん、要するに日本の会社の悪弊が凝縮されたのが、東電なんだと思います。
Posted by koyuri at 2011年05月29日 21:13
 
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