東電は、11年4月に1週間で意図的に海に放出した汚染水に含まれる放射性物質の総量を、約1500億ベクレルと推計しているが、東京電力福島第1原発の港湾内で海水の放射性セシウムの濃度が下がりにくい状態が続いていることに関し、汚染水の海への流出が止まったとされる2011年6月からの約1年4カ月間に、計約17兆ベクレルの放射性セシウムを含む汚染水が海に流れ込んだ恐れがあるとの試算を、東京海洋大の神田穣太教授がまとめた。
神田教授は「現在も地下水や配管を通じて流出が続いている可能性がある」と述べているそうだが、本日の県内新聞の1面に希望が持てそうな記事が載っていた。
信州大の遠藤守信・特別特任教授を中心とする研究グループは、遠藤特別特任教授が開発した炭素繊維カーボンナノチューブ(CNT)を使い、放射性セシウムを効果的に吸着する新材料を開発したと発表した。新材料で3回ろ過すれば放射性セシウムの97・3%が除去できる計算という。グループは、放射性セシウムを含む焼却灰の処理や汚染水の除染に活用できるとしている
新材料は水中に投入して回収できることから「池の水などに含まれるセシウムを激減できる」と説明。セシウムを吸着した新材料は加熱すれば大きさが1万分の1になる性質があり、セシウムを含む焼却灰を水に溶かして新材料でろ過すれば、増え続ける焼却灰の保管問題の解決にもつながる。
放射性物質の取り扱いに詳しい東京大学大学院工学系研究科の寺井教授(原子力工学)は「吸着性が高いだけでなく、セシウムが溶け出さないよう固定化できるので利用の幅が広がる」と話しているそうだが、本当にそうなれば嬉しい。
今日、地域にゴミ処理場を建設するかどうかの視察に数日前に行って来たという方の御話を聞いたのだが、ゴムで密閉した場所から流れ出る水は収集して、別の場所の浄水場で濾過するというコトで、その方式ならば建設も止む無しかという雰囲気になりそうな感じだという。
我々が生きている以上、排出されるゴミはゼロには出来ない。
であれば、なるべく環境を汚さない様にしてゴミを処理する必要性はある。
ただ、だからと言って、これからも原子力の活用をというワケではナイ。
福島原発の爆発によって、空気中に排出した有害な物質を体内に入れてしまった人々の健康被害は、これから深刻になるコトは確定的だ。
ならばこそ、これ以上の害をもたらさないタメに、既に排出された有害物質の封じ込めは大事だというコトと共に、もう今以上の排出は、断固として止めなければナラナイ。
マダ、原子力を安定的に無害化するコトは出来てはいないのだから、それが可能になるまでは、無害化の実験を優先して、利用は制限すべきだと考える。