米国の児童の20%が重度の精神疾患にかかっていて、最も割合が高かったのは13歳から18歳の層。
注意力散漫とハイパー・アクティヴィティ(活動の異常な旺盛)が調査対象者の8.6%に見られ、情操異常(気分の異常)が3.7%、軽い抑鬱が2.7%、コンダクティヴな(伝導性の)異常が2%、ノイローゼが1%、不安神経症が0.7%、パニック症が0.4%、その他となったというのだが、考えられる原因は大きく分けて二つ。
そもそも、その時期は疾風怒濤の時代と呼ばれていた年齢なので、精神的に不安定になる人も多いというだけの可能性と、米国の世界を圧倒する貧困率。
とはいえ、日本もその例外ではナイのかもしれない。
日本は1980年代まで「一億総中流社会」と呼ばれたが、そうした言葉はもはや死語に等しい。60〜80年代において日本の貧困率(年収が全国民の年収の中央値の半分に満たない国民の割合)は5〜10%程度だったが、今や先進国の中では米国に次ぐ16.0%(09年)に達している(米国は17.1%)。
さらに「貯蓄ゼロ家庭」は11年で28.6%と過去最高となり、生活保護受給者も今年2月時点で215.5万人と、10カ月連続で過去最多記録を更新中である。このように、すぐにも生活困窮を来すような低所得世帯層が、わが国で燎原の火のごとく広がっているというけれども、不安定な生活を強いられた子供は、安定的な気持ちにはなり難い。
生活に余裕が無ければ、食生活も乱れる可能性は高い。
有害な物質が含まれているかもしれない様な食品とか、空腹を満たすだけの偏食などの可能性もある。
様々なコトで、米国の後追いをしている日本も、やがて類似の状況になり、社会の混乱を生み出すかもしれないと思うと、極端な格差社会は問題ありという、傍証になるのだろう。