少子化と言われて久しいけれど、簡単には解消しないだろうと改めて感じた一冊。
簡単には育休を貰えない会社が多いだけでナク、まだ地方では、都会よりも保育園が人口比では充実しているから大丈夫なのかもしれないが、都会では産むタメに離職したら、簡単には保育園が見つからないので、違う会社への就職もままならない現状。
だから、より生活費を稼ごうと、夫は会社人間になってしまうので、子育てを母親が一手に引き受けるしかナイ。
子育てのストレスもあり、仕事復帰へのメドも立たないので、第二子を出産するのをためらってしまう母親。
なので、親が近くで面倒を見てくれる様な人的余裕のある人や、公務員など産休を取りやすい人と、会社を追われ自力で子育てせざるを得ない人との格差が出来てしまうのだと‥‥
そして、問題はそれだけではナイ。
産婦人科の医師も減っていたり、小児科医も減っていたり、福祉を取り巻く環境が厳しいので、困っている人達を救済する余裕が社会から薄れてしまう。
病院なども効率を求められるので、もう少し手を掛けられたらと思っても、それを許さない社会構造になっている。
ちなみに、即効性はないかもけれども、長野県立こども病院では、保育士の配置によって、看護師の離職率は大幅に低下したし、産後の母親のケアにもプラスになっているという。
ほんの少し周囲の目や支えがあれば、子育ては楽になる。
その辺を踏まえずに、タダ「三年間抱っこし放題」などと言われても、口先だけのコト。
本当に年金が破綻したり、老人の介護をする人手が全く不足してからで無ければ、この国は真剣に少子化へ取り組むとは思えない。
こうした問題を理解して、一刻も早く社会を改めなければ、結局、国民の全てが損をしてしまう社会になるというのに‥‥