2014年08月09日

ココにも戦争の足音が

一般的に、全部がそうでは無かったからと言って、ホトンドがそうならば全てがそうでは無かったとは言えないというのが普通だと思うのだが、長野市はそうは思えないらしい。

最盛期に工事に携わった約1万人のうち国民徴用令により朝鮮人約4000人が強制的に連行されたと言われている、「松代大本営」(敗戦まじかに天皇を遷都して守るべく、長野市松代に巨大な地下壕が作られた)の看板に書かれた「強制的に」との文言を市観光振興課は「一部は強制ではないとの見方もあり、全員が強制的だったとの誤解を招く表現を改めた」として、何の前触れも無くテープで覆ってしまったという。

あまりに杜撰な考え方に、驚くばかり。

市民団体などが行った地元住民への聞き取り調査で、収入を得るために工事現場に来ていた朝鮮人がいたことや、朝鮮人と住民との間に交流があったことなどを確認したというが、住民と交流があったからと言って、強制は無かったという証明にはなるまい。

我々が遠足で行った時も、住民が気の毒がって、色々と便宜を図ったという話は聞いたけれども、大本営の壁には朝鮮語で落書きがあり、その中には強制的に連行されたコトに対する恨みみたいなコトが書かれていると教えられたハズ。

タダ、戦後何十年も経ってしまい岩盤も脆くなっているので、徐々に公開部分も狭められていて、その落書きも最早見えなくなっているかもしれない。

そうやって、時代の経過と共に、記憶も風化させようと思っているのかもしれないが。

無論、子供の時の話であり、ハングル文字など読めなかったから、何を書かれていたかを今となって「○○を見た」と証言出来ないが、少なくともこうした姑息な態度は世界的に日本の信頼を無くすだろう。

そもそも、子供の時にも、中には仕事として来た人も居たが、日程的に間に合わなくなったので、強制的に連行したと聞かされた覚えがある。

つまり、昔と今とそんなに現状把握は間違って無かったと思うのだが、知らない人が見て『強制連行は無かった』と受け取る位ならば、『強制連行された人が居た』と認識した方が、実際との違いは少ないナイだろう。

『南京大虐殺』は無かったとする人々も、そんなに沢山の人口は存在しなかったからと言うコトを論拠としているけれども、少なくとも『南京虐殺』はあったという証言はあるのだから、数の多さよりも、そういった行為があったと考えるべきだろう。

ドイツの潔さと比べて、日本のいじましさだけが気になる話題なのだが、なるべくこうした事実を多くの人々に知って欲しいものです。

やがて、今が『戦前だったんだね』と思わないタメにも。
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