誰もが知っているであろう「はだかの王様」の童話は、普遍的な話であって、それが現在の社会状況をも説明可能にするという。
それは、ゲーム理論とも呼ばれ、「最悪」「次悪」「次善」「最善」という選択の組合せなのだと主張するのが、こちらの本。
例えば、北朝鮮の独裁体制が続くのは何故かというと、「批判」したら他の人によって自分の身が危ないと思っている人が多い結果であって、誰かがそれは間違っていると言い出しさえすれば、引っくり返される可能性は存在する。(銃殺されたルーマニアのチャウシェスク大統領みたいに‥‥)
ともあれ、ソビエトや中国を見ていると、マルクスの思想は間違っていたと思いがちなのだが、それは、マルクスの思想を正しく理解してナイから。
そもそも、資本というのは、増殖するしかナイという運命に陥りやすいのだけれども、それは何故なのかというコトを丁寧に説明している。
だからといって、世の中の状況があまりにも絶望的になってしまうと、必ずその状況を引っくり返すべであるという集団が生まれて来て、そうした力が大きくなると、変革が訪れる。
それこそ、「唯物史観」というモノ。
というコトになると、例えば日本という国は島国ゆえに、あまり暴動などが起きない国ではあるが、このまま貧富の差が拡大し続け、不当に賃金を抑制され、子孫を持つコトも許されないという、絶望の人々が増大すれば、将来は判らないというコトだろう。
少なくとも、日本はマスコミが政権寄りなので、庶民が知らないコトも色々とあるけれども、例えばあまりに理不尽な話題(例えばパナマ文書とか、愛人を政治資金でという様な話題)が、知る人は知り、そういう人々が多数存在するいうコトになれば、やがて何らかのアクションが起こされる時代も訪れるかもしれない。
要するに、ひどい政府があったとして、全員で政府に反対して打倒すれば、黙っているより状況が改善すると思っていても、自分だけが反対すると、確実に弾圧され、ひどい目にあうから黙っていようと、皆が考えていればこそ、ダメな政府でも続くのであって、誰かが一言で目を醒ましてくれて、皆が正気になれば、一斉に地殻変動が行われるというのが、革命の歴史なのだというコトが、とても良く理解出来ました。