他人を自分の価値観で判断出来ると思うなという意味では、確かにと思う話ではあり、そういう点では読んだら、自分の生きるタメの意識に良い変化があるとは思います。
ただ、二人共も少子化に対しての考え方に関しては、どうも認識不足なのではないかと。
無論、理解すべきだと思うから、イケナイのだというこの本の趣旨からすると、構わないのでしょうが。
非正規雇用が四割という時代では、子供が産み難いのは、当然だという気がします。
新自由主義の弊害によって、価値をまず考えてしまうというのは問題だとは思いますが。
少なくとも、「結婚しない人」が増えているのではなくて、「結婚出来ない人」が増えているという認識が無いのではという気がしてしまう。
「山に行けばスッキリ」という気持ちも、充分理解出来るのですが、中には「山に行く暇も無い」という人も増えているのではと。
世の中から「ゆとり」が消えつつあるので、「ギスギス」した社会になっているのだと思います。
我々の生きて来た時代と比べて、今の若者は大変な時代を生きているので、それを意識せずに読んでいれば、とても良い本なのですが。
やはり、「他人」の壁はとてつもなく高いみたいだという読後感になってしまいました。