世の中には、詐欺まがいの話が満ち満ちていると思った本がこちら。
「再生医療」は、幹細胞を使うことで失われた細胞を修復・再生し、これまで治療困難だった病気やけがにも効果が期待できる「夢の治療法」とされているが、再生医療の安全性が証明されるのを待っていられない難病患者がいて、ALS、白血病、脊髄損傷など、ほかに治療の手立てがない人たちにとっては、再生医療は「ダメでもしかたがない」と覚悟のうえですがりつく、最後の希望になっている。
そういう人々に対して、「万病に効く」という触れ込みで、患者に詐欺まがいの効能をうたい、高額治療をさせて、下手すると命まで奪ってしまう人々が存在する。
「どんなに高額でも、助かるなら」という人々の気持ちを踏みにじる闇の存在。
確かに、新しい医療の確立とは、一定数の先駆的犠牲によって、成り立っている部分もあるが、それでも、無法者の利益になるだけの医療では許されまい。
物事は言い換えられると、曖昧になりがちだが、郵貯の保険も「不適切販売」というよりも、「詐欺的販売」と呼んだ方が、相応しいのではないかという思いも有る。
我々は、世の中の話をもっと懐疑的になって、多少は疑ってかかるべきではと思う一冊。