
社会学の先生の本です。
若者のモラトリアムがドンドン延長していこうとしているのは何故なのかというコトに焦点を当てて書かれています。
厳しい意見も書かれていて、『ナルホド‥‥』と思ったのは、現実から逃走して社会的責任を放棄しようとしている人が増えているのではという指摘。
最近の傾向として、
(一)「やりたいこと」の重視
(二)「やりたいこと」なら続けられる(はず)
(三)「やりたいこと」は今わからなくてもいい
(四)「やりたいこと」は実在する・きっとみつかる
という特徴があるのだが、やりたいことは結局、自分の内部にしか発見できない。
「何がやりたいことなのか」を自問自答するなかからは、やりたいものをみつけることはむずかしい。自分の内なる世界から出て、実際に体を動かしてこそ、やりたいことはみつかるはずだ。社会から隔絶された家庭と学校に閉じ込められた状態で、やりたいことを見つけようとする矛盾。
「やりたいこと」は実はかならずしも「できること」ではないし、できることに比べ「価値あること」ともかぎらない。だが、親も子もその呪縛にとらわれ、結果として現実逃避が続いていることに、問題の根があるのではなかろうか。
ウーン、そうかもしれませんね。