タイトルは心理学の用語です。でも、読んだ本はミステリーです。
新潮ミステリー倶楽部の本岡類さんの「真冬の誘拐者」という小説です。前に書いた同じ作者の「神の柩」に、おんもらきさんという方からコメントを頂いたので、久々に読もうと思って、数冊借りてきました。
モチロン、仕事の合間に一気読みして、一日で読み終わってしまいました。
移植医学については、少し前にこれに似た話を、TVの番組で見た(そちらは全く犯罪絡みではナク)ので、そんなに驚きませんでしたが、知らなかったらきっともっと驚いただろうと思いました。
とにかく、ミステリーはネタバレさせてはイケナイし、ゼヒ読めるだろうから読んで欲しいみたいな本、特に小説はあまり書き込みすると作者に悪いので、関係ナイことに終始してますが、核となる部分だけは一応、書いてるつもりです。
この本だと、タイトルの「獲得された無力感」をドンドン増長させる大人の身勝手さでしょうか‥‥
今の子供達は挫折を繰り返しすぎて、自分に自信を失っているというコトでしょう。
例えば、料理好きな子供がいたとしても、「料理の才能があるからコックさんになったら」なんて、今の親はホトンド言わない。塾通いして、一流大学から一流企業への道を奨める。受験戦争に挫折してから、「コックになれ」と言われても、自信を失ってからでは遅過ぎるというコト。
最初からコックになろうとした子の方が料理の世界で大成しやすいのではと述べています。
でも、それを乗り越えられる強さのある子がより大成するのだろうと思うけど‥‥
信じた大人に裏切られ続けた子供が、再び立ち上がれるのかどうか‥‥ラストがとてもツラ過ぎるエンディングです。微かに残る希望の光が、心の救いだけど‥‥
今の子供は本当に大変だと思います。勉強だけでナク、スポーツとかでも‥‥それなりに上手だったらヨシとしていられた、昔の子供で良かったと思います。
何事も、勝ち上がれるのは一握りだけ。でも、それに敗れたとしても、それは違う道に進むタメの練習くらいに思わないとホトンドの人は苦しまなくてはなりません。
現代を生き抜くタメには、本当に強い気持ちが必要なんだろうと思います。そして、それには親の態度が一番大事なんだろうと‥‥