2006年08月27日

「世紀の病」をどうするか

おはようございます。日曜朝は、「食べ物が作る健康」なのですが、ZEN心理療法の話が終わり次第書き込みますので、しばしお待ちください。

さて、現代は時代状況と関連した不安や内面的な生命の喪失といったものに悩む人々が増えている。

気が沈むとか、不眠、結婚がうまくいかない、仕事がおもしろくないなどといった悩みをかかえ、そうした悩みが取り除かれるならば、よくなると信じている。しかし、自分たちの問題が本当はそのような悩みの問題ではないことをわかっていない。

フロムによれば、こうした種々の悩みというものは、「自分自身からの疎外、自分の仲間からの疎外、自然からの疎外」を意識的な形で表現したものである。ありあまるものの最中で生活しながらも、本当に生きていないこと、本当の喜びがないことを表現しているのである。

ストレスというものは、一見すれば個人の外部からの状況から来るように見えるかもしれないが、まったく同じ状況にあっても、人によって大きなものだったり、全然感じられないこともあるといった、いわばその人の内部の心理的な問題でもある。

私たちは大抵、自分にとって好ましくない状況に直面すると、無意識のうちに敵対的な反応を示し、恐怖、怒り、不安、苦痛など即座に沸き起こるさまざまな感情に左右されがちである。嫌なタイプの人に会うと、話もしていないのに否定的な状況を自分で勝手に作り上げてしまったりする。そして、いったんそうした感情に支配されてしまうと、もはや自分に対しても他人に対しても冷静な正しい判断がもてなくなり、円滑なコミュニケーションも困難になって、どうにもならない悪循環を作り出してしまうことにもなる。

なので、心理療法の意義は昔とかなり違うものに変化せざるをえない。心理療法は、症候を取り除く「治療」とは違い、治癒とは「病気がない」ということではなく、最良の状態を達成するということが目標になるのだという。
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