2006年08月30日

「環境に優しい」は「人間に優しくない」かも‥‥

昨日付けの「日本農業新聞」の「視点」というコラムに、米農務省国際農業開発局長を務めたコトもあるレスター・ブラウン氏が、穀物を原料とするバイオ燃料の生産は、世界の飢餓や農産物価格を押し上げる危険性があると述べている。

米農務省によると、今年の世界の穀物需要の拡大は2000万邸そのうち7割は米国の車の燃料に振り向けられる。世界の食料需要に向けられる分は、残り3割に相当する600万鼎砲垢ないそうだ。

現在、世界でバイオ燃料ブームが進行中だ。穀物やサトウキビ生産地では、バイオ燃料の製造施設の建設計画が目白押しらしい。

トウモロコシを餌にする畜産農家は、エタノール生産施設の急増で、生産に影響が出ないか心配しているらしい。

ブラジルでは、砂糖生産量の半分をエタノールに転換している。世界の砂糖生産量の10%が、エタノール向けになることで、砂糖の価格は2倍になった。

バイオ燃料ブームが止まらない一方、世界の穀物在庫は34年ぶりの低水準にある。食物価格の上昇は避けられないだろう。そして、それは収入の半分以上を食品に充てる20億人にとって、飢餓を招き、貧しい国々の政治不安も招きかねないという。

一方、地方紙の「信濃毎日新聞」の本日付けの第三社会面によると、東大のバイオマス(生物資源)研究者らでつくるグループが、もみ殻や間伐材、トウモロコシの茎や葉などの農林業で出た廃棄物からエタノールを抽出し、自動車の動力源に使う研究を進めているという。

こういう廃棄物を資源にしたり、以前にやはり「日本農業新聞」で、米を使って(価格を抑えるためにコシヒカリとかではナイのですが)のバイオ燃料を作ろうとしているという話題は、休耕田を止めるコトで、優良な農地を残し、地球温暖化の防止(夏にわざわざ水を打たなくても、水田は気化熱で田の水を蒸発させるコトで、その周囲を冷やしていると思う)とか、集中豪雨の時の緑のダムになると思うので、純粋に環境に優しくて良いと思うのだが、口に入るコトが出来るモノを転用するのは、必ずしも地球に住んでいる人間全部に優しいとは言えないのだと初めて知らされた。

我々は、物事を一方から見るだけでナク、両面からの判断を迫られていると思う。それにしても、日本の食糧需給率の低さを考えると、この話はかなり怖い話のようにも思える。それこそ、米を使ってのバイオ燃料を考えて、ある程度のお米は増産して、古くなったお米は燃料にするとかで、もう少し需給率を高めておかないとマズイんじゃないかと、背筋が寒くなる様な話でした。
人気blogランキングへ←応援よろしくお願いいたします

この記事へのトラックバックURL

この記事へのコメント
比較的大規模な農地の多い欧州や米国ですら、フル生産しても自国の燃料消費の5%程度しかバイオマス由来燃料を供給することはできない・・・というのはIEAの報告で明らかです。
バイオ燃料の取組みは結構ですが、それ以前に食糧自給率の低さを何とかしなければ・・・と思う人が少ないですね。
Posted by P307HDi at 2006年08月31日 19:08
P307HDiさん、初コメントありがとうございます!!
結局、低燃費で走る車を開発するとか、太陽エネルギーとか風力発電で作った電気で走る車とかしか方法はナイのだろうと思います。

食糧自給率の低さ‥‥太平洋戦争でひもじい思いをしたコトを忘れてしまったというか、今、生き残っている人達の祖先は、それに耐えて生き残れた人達だから、そんなに大変じゃなかったからかもしれませんが‥‥本当に食べれなかった人達は、北朝鮮みたいに死んでいってしまってますからね。

北朝鮮を見る度に、戦前の日本とダブって見えます。そして、もしかしたら今みたいなコトをしていたら、再び戦前になりかねないと思うのですが‥‥
Posted by koyuri at 2006年08月31日 20:34
マスコミはバイオマス万能論ばっかりですね

例えば、主要な穀倉地帯は雨が少なく地下水に頼った穀物生産ですが…年々地下水の帯水層の低下で枯渇ね危機が迫っています

バイオマスの原料となるトウモロコシは、1トン生産するのに必要な水の量が麦類等穀物に比べて数倍必要とします。

バイオマスはバイオマスで環境に不可をかけるわけですが…
二酸化炭素排出にばかりめをむけていて、デメリットは取り上げてくれませんね
Posted by ホラフキ at 2006年09月12日 21:54
マスコミ報道は、デメリット情報を選別してから発表するので、一面的な報道になりがちですね。

>バイオマスの原料となるトウモロコシは、1トン生産するのに必要な水の量が麦類等穀物に比べて数倍必要とします。

なんてコト、全然知りませんでした。情報提供ありがとうございました。


>主要な穀倉地帯は雨が少なく地下水に頼った穀物生産ですが…年々地下水の帯水層の低下で枯渇の危機が迫っています

というコトは、世界的な食料危機も、もうソコまでという可能性も在るというコトなのですね。大丈夫なんでしょうか‥‥日本でも、休耕田にバイオマス用のお米を作る実験が始まっているみたいですが、作れるのに休んでいる場所でこそ、将来のタメに土を原野に返さない様な努力をして欲しいものです。
Posted by koyuri at 2006年09月13日 08:29
 
にほんブログ村 健康ブログへ