2006年09月15日

死に臨む言葉

辞世の言葉を集めた本があるとは、全然知りませんでした。図書館で見つけたので、これは今朝の話の続きとしてイイかなと思って借りて来ました。講談社から出ていて、赤瀬川原平監修の「辞世のことば 生きかたの結晶」という本です。

日本は、霊的にとか言っても、そんなに宗教にはまっている人ばかりではないし、様々な宗教もあり、生まれながらに親から無理やり宗教に入れられるという人は滅多に居ないので、こんな感じの様々な人の死に臨む言葉を読むのも、それなりに自分に合った言葉や思想を見付けられる手助けになるかもしれません。

ちなみに今までも大好きだった一句と言えば、在原業平の「ついに行く道とはかねて聞きしかど昨日今日とは思わざりしを」ですね。人間臭くて大好きです。こんな感じで最後まで、飄々と生きていけたらイイですね。

和泉式部のように、六十歳近くなっても「あらざらんこの世のほかの思い出に今ひとたびのあうこともがな」なんて執着がある人もスゴイと思いますが、ワタシには少々無理かと‥‥

やっぱり親鸞や一遍のような傑物は‥‥と思うのは、「それがし、閉眼せば、賀茂川に入れて魚に与うべし」とか、「わが門弟子におきては、葬式の儀式をととのうべからず。野に捨て獣にほどこすべし」とまで、言い切ってしまうトコ。

ともあれ、無能とまで呼ばれ、応仁の乱をひきおこし、それでも銀閣寺を建てたコトで後世まで名を残した足利義政が、「何ごとも夢まぼろしと思い知る身にはうれいもよろこびもなし」と詠んだのには、感慨深いものがありますね。

吉田兼好みたいに「人、死を憎まば、生を愛すべし。存命の喜び、日々に楽しまざらんや」というように、死は逃れがたいものなのだから、生きてあることの不思議さ、ありがたさに目を向けて、生の楽しみをあじわいものです。

そして、連歌の祖とされる山崎宗鑑みたいに、「宗鑑はいずくへ行くと人問わばちとようありてあの世へといえ」といった感じで、ちょっと用があってあの世へ行きましたなんて、スゥーツとこの世と別れられたらイイとワタシは思っています。

ともあれ、時にはそんな言葉の数々を読むことも、ナカナカ勉強になります。
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