2006年09月19日

科学は万能なのか?

今朝の本の続きです。

若月 科学は人間を破壊しますよ。ただ、科学技術が進めばいいってもんじゃないですよ。人間はやっぱり人間でなければ、たとえどのように科学技術が進歩しても不安でしょうねえ。私たちはやはり「ホモサピエンス」(現生人類)で、それから逃げることはできないと思いますよ。科学を過信するのは危険です。

住井(一番心配されていた朝永振一郎先生が)核兵器というのは、人類を脅かすが、それ以上に怖いのが生命工学だというのです。これができたら最後、もう人類は破滅すると。そこで、この遺伝子工学なんてのは止めなくてはいけない。生命をいじるということは原爆よりも怖いし、これに手をつけたら悪魔の学問みたいに絶対止まらないだろうと、予言されています。‥‥人間が生命に手をつけたらそれが人類の終わりになる。だから人間は他のものによって滅ぼされることはないだろうが、自分の智恵で滅んでいく。自滅していくんですね。

終末医療についても述べられています。

若月 (「植物人間」になって何年もして亡くなった方を)解剖したら、心臓も肺も胃も子どものように小さくなっていた。脳を開けてみたら、脳が溶けていたっていうんですよ。解剖した先生が「気味悪かったよー」という。脳がかたちをなしていないんです。

住井 医学は罪悪になりますねえ。

若月 もうそうなると、罪悪かもしれません。でもレスピレーターを止めることは医者にもできないのです。うっかりすると殺人罪に問われる。

住井 病人に拷問をかけているようなもんですね。

若月 あんなことをしてまで生かしていて、いいかどうかですねえ。その間、お嫁さんは自分の月給を全部付き添いのおばあちゃんにつぎこんでいた。いったい、そんなことに意味があるかどうかですねえ。

と続いて「安楽死」や「尊厳死」という問題が提起されています。実際、そんな問題に悩んでらっしゃる方々の生の声を聞いたりしていると、考えさせられる問題です。医学の進歩が人間の幸福に結びつくコトが本来、大切なのですが‥‥
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