2007年03月29日

特攻と9・11とオウム真理教

午前の更新、仕事で遅くなりました。さて、「宗教の本」というよりも、「反宗教の本」なのかもしれません。「宗教」を極めようとして、逆に「反宗教的」なコトをしてしまった、かつての同級生の軌跡を冷静に分析している本です。
さよなら、サイレント・ネイビー―地下鉄に乗った同級生
オレオレ詐欺の犠牲者は「自分は大丈夫」だと思っていた人が、とても多い様に、「オウム真理教」に心を囚われたのは、たまたま彼等だっただけで、もしかしたら、アナタだったのかもしれませんよ、と問題を提起してくれています。

9・11同時多発テロは、海外でしばしばKAMIKAZEと表現される。国内のメディアには載らないが。そうした海外と国内の歴然とした温度差、報道のギャップを遥かに不気味だと感じる著者は、軍国主義のマインドコントロールとして理解する。

誰か一人が仕掛けるというより、集団が我知らずのうちに陥ってゆく。

軍事手法としてのマインドコントロールは、「特攻」以後も進化し続けている。戦前の戦闘右翼「血盟団」の流れを汲んだ重信房子の所属した日本赤軍の近代兵器を利用した自爆特攻の戦法、とりわけ「人間操縦」方法がアラブゲリラに伝えられたという意味では、世界からKAMIKAZEと呼ばれても仕方ナイ側面もあるという趣旨のコトを述べている。

ナチス・ドイツのナンバー2だったヘルマン・ゲーリング曰く、

『人間集団を攻撃するのはいとも簡単である。
 自分たちが攻撃されている、と思わせれば良いのだ。
 そうすれば、どんな集団でも、ただちに攻撃的になる』


恐怖で縛るのは効果的。被害者意識に凝り固まっているときには、いくらでも攻撃的になれる。逆に被害者意識やパニックがいったん暴走し始めると、誰か黒幕がいなくても、集団が破局まで突っ走っていくことも少なくないらしい。これはひとつのアリジゴクで、砂が勝手に落ちていく。

というような著者の言葉に、オウム真理教だけの特異な問題と思っている我々は、日本の今を言われているつもりになる。「サリン散布」という事件から、長い年月が経った今こそ、もう一度じっくり、冷静に「オウム真理教」を考えるコトが、将来の日本の破滅から救われる道なのかもしれない。おそらく、「オウム真理教」の手法を客観的に見るコトで、軍国主義への行進をし始めている今の日本に気付くコトになるだろう。
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この記事へのコメント
9.11は自爆・特攻というので見ればまさにカミカゼなんですよね、人質がいたことで俺は今まで考えもしませんでした。
それだけ他人事・・自国のことでさえ他人事に見てた証かもしれませんが。
Posted by 小太郎 at 2007年03月29日 22:08
小太郎さん、外国での報道をホトンド知らされてないというコトすら知らずに生きているのが、普通の日本人なのですね。

「日本の常識は、世界の非常識」とヨク言われるコトですが、本当にそうなのかもしれないと思います。
Posted by koyuri at 2007年03月29日 23:08
 
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