
小説のタイトルからは、こんな読後感は全く連想しなかったのだけれど。今まで、かなりサスペンスタッチな作風だったので、ちょっと驚きでした。
個人的に理解出来そうな部分も多かったりしたので。
ともあれ、予知出来るというコトは、幸せとばかりは限りません。昔、「霊感がある」と言われていた時代もあったのですが、そのコロは疲れました。
今、普通のオバサンになって、とっても楽です。
そんな感じが伝わる本ではありますが、一応、連続した推理短編集なので詳細は避けますが、最後に書きおろしたエピローグの中から、
本当に明日はいい日になるのだろうか。自分の未来を思い描くうち、やがて当たり前のことに気づいた。何も書かれていない日記帳に未来を書き込んでいくのは、自分なのだ。明日はいい日だと信じて進んで行くしかない。世の中には、人生に描いた夢がかなう人ばかりではありません。でも、それだからといって、夢に向かって努力していた日々は、無駄ではないんだと、優しく語りかけてくれる小説です。
疲れている時に読むと、元気が出ると思います。
江戸川乱歩賞の時の小説みたいに、短編ですから大きな山場や、トリックは少ないですが、こういうしみじみとした小説は燻し銀みたいで味があります。
その時々で、書く対象が全然違うので、これからがマスマス期待される作家です。
それにしても、500円で買った「風と共に去りぬ」のDVDは、何時見るのだろう? この前も、「お母さんは買うと見ないよね」と子供達に言われてしまった。「もうホトンド全部のシーンを覚えているから、別に見なくてもイイのよ」と言ったら、「タイタニックだって、見てないのにそのままじゃないか」と突っ込まれてしまった。
確かに、こんな人生になるとは、若いコロは思わなかったけど、それでもそれなりに今が充実していれば、それでイイのかもしれない、と改めて思いました。「明日は明日の風が吹く」しね。