何でこんなにズルズルと世の中が変になっているのかと思ったら、ソレにはワケがあったというコトを鮮やかに解説してくれたのが、こちらの本。
悪夢のサイクル―ネオリベラリズム循環
1984年と、2002年の日本の所得格差が13倍から168倍に広がったワケを簡潔に説明してくれてます。
資本の自由化、規制緩和、市場の整備を叫ぶと共に、海外マネーが流入すれば、バブルが発生して、借金経済が常態化し、国や地方自治体も国債地方債を乱発する。ソコで一気に海外マネーが流失すれば、不況で企業淘汰や合併・外資化が進み、労働規制の緩和による非正社員化が起きて、フラット税制による所得の二局分化が進む。
ソコで再び海外マネーを流入させると、再びのバブルの発生、そして超金持ちの出現があっても、失業率は下がらず、海外マネーの再びの流失により、経済事件が頻発して、不況が再び押し寄せ、地域荒廃や共同体の破壊、そして治安の悪化を招くというコトが、海外でも、そして現実の日本でも「ネオリベラリズム(新自由主義)循環」というの弊害によって、世界を破壊し続けているのだというコトです。
日本のバブルとそれから起こったITバブルそして、今の構造不況まで、全てが海外などの金の亡者によって仕組まれていたのだとしたら、実に国民は愚弄されたモノです。
小選挙区になったコトで、衆議院議員の73%を占めた自民党の小選挙区での得票は47.8%。選挙の投票率が67.5%だったので、全有権者の32.3%の支持を受けただけで、その改革と名付けられた「改悪」への後押しが出来たというのです。
既に、チリやアルゼンチンが同じ轍を踏んで失敗していたというのに、日本はその後追いをしてしまったとは、本当に馬鹿げたコトです。
イスラム社会を崩壊させようとしているのも、新自由主義をイスラム社会に根付かせたいという思惑があればこそ、そして、戦争をビジネスチャンスとして他人の血の犠牲の上に貨幣至上主義者の儲けが待っているからという話に、目からウロコがボロボロと落ちました。
今回の原油高によって、マスマス日本の社会から零細業者が淘汰され、低コストで働く労働人口が供給されて行きます。農業や漁業もボロボロになったトコロで、企業が経営に参画し、昔の小作制度の復活が行われる可能性もあります。おそらく、それを後押しする意味でも、人口の一割を移民で賄おうという発想が財界から出ているのでしょう。
全てのつじつまがこの本でしっかり合いました。これから衆議院選挙に向けて、様々な謀略が仕掛けられるのだと思います。そして、再び市場原理主義者の売国行為が行われるコトになったとしたら、おそらく日本には、アメリカみたいに社会保険制度も破壊され、一部の金持ちと大多数の小市民という二極構造の拡大が進み、スラム化も行われるのかもしれないと思うと、後期高齢者医療を導入した背景やら、派遣会社を優遇するワケなど、全ての問題に答えが用意されていたのだと理解しました。
我々の残された道は、「互いが助け合う社会」にしかナイのかもしれませんね。