「右傾化」問題が契機となって、普段読まない様な本を読むので、大変タメになります。図書館も大体、読む分類が固定化してますので、滅多に足を踏み入れない棚に行くと、なるほどと思う本に行き着くので、やはり何事も無駄ではナイのだと思って、前向きに色々な本を読んでおります。
それにしても、自由の国と言われたアメリカが、戦争に巻き込まれると、表向きだけの公正中立などはかなぐり捨てて、「愛国」の名の下に言論弾圧などを平気でしているコトに、改めて驚きました。
ヒロシマ記者が歩く戦争格差社会アメリカ
第一章の踏みにじられる人権では、「9・11」テロの時に、負傷者を助けようと不眠不休で救出活動に携わったがゆえに、健康がむしばまれ、呼吸器疾患になり、家庭は崩壊、失業して生きるにもやっとの状態になった人とか、貧しいパレスチナ人に資金を手渡そうとしたら、ハマスに資金を渡そうとしたとして、激しい拷問を加えられ、読めない書類にサインさせられ、投獄された上に、帰国したら再び「政治目的のスケープゴートにされ」逮捕。再び懲役刑になったり、中東系というだけで国外追放された人とか、収容所でのジュネーブ条約違反を止めるべきと上官に伝えたら、無実の罪で軍法会議に掛けられたりと信じられない話が、続々とある。
前にも書いたと思うが、イラクで使用した劣化ウラン弾によって、兵士の子供達に奇形児が産まれても、ソレを認めて保障しようとしない国防省とか‥‥
如何に、戦争というモノが、人間を蝕むのかというコトが、コレでもかコレでもかとばかりに綴られている。
そういう報道は、日本ではホトンドされないのだが、自分から掘り出してでも、世の中の真実を知ろうとしないと、「テロ」との戦いというコトで、何もかもが正しいと、隠蔽されている本当のコトが、まるきり見えなくなってしまう。
日本でも、「愛国心」を唱える人々は多いのだが、どうも声高にソレを唱える人ほど、一般大衆の「愛国心」を利用したいという下心が透けて見える人がホトンド。
真に国を愛するコトとは、国が間違った方向へ行こうといたならば、身を犠牲にしても、正しい道に戻ろうと声を上げ続けるコトだと、しみじみ思った良書でした。