
でも、医療ミスに関してはある程度報道されたりしているので、さほどエエッと驚くコトは少ないのですが、それよりも怖いのが「人間ドック地獄」の話。
ドックを受けた人の全部の検査が正常だったらうれしいけど、損した気分になって来年から来なくなるのを防ぐタメに、少々異常値を入れて、来年もドックを受けようと思わすという話なんですが‥‥
血液検査の正常値の範囲を狭くして、異常値が出やすくする。血液がダメだったら、尿検査でわずかな糖やタンパクを問題にするか、レントゲンで小さな炎症や古い結核を見つけて、精密検査までは必要ないと思うけど、念のために半年後に再検査しましょうなどと言って、親切なふりをして、患者を不安に陥れるのがドックの医者の仕事。
健康な人ばかりだと儲からないので、医療を必要な人を積極的に作り出すのは、これからの医療界の必然とまで言い切ってます。
医療の裏側を知りたいと思ってたら、読んでおくべき本だと思います。著者の小説としては、今までと比べるとあまり衝撃的な話ではありませんが、ストーリー的には面白いかも。
今までの、医療に抱いていた理想が高い人ほど、「目からウロコがポロポロと落ちる」かもしれません。