正直、今までに「小説作法」なるものは何冊も読みましたが、多喜二はとても簡潔に書いてあり、なおかつ的を得ていると思う。
自分の云おうとしている内容を最も「正確」に、最も「分り易く」、最も「単純」に、最も「僅かの言葉を以って」云われているとすれば、それはその内容に対して、最も優れた文章であると云い得る。何はともあれ、戦前の話だというのに、現代に通じる部分がとても多いと思うのは、多喜二の先見性なのか、それともタダ歴史が繰り返されているだけなのか。
どちらにしても、ワーキング・プアの人々の辛さをとてても端的に表している小説と言えるでしょう。
再び、同じ過ちを繰り返さないタメにも、当時の話を読んで比較するのも、かなり意義がありそうですね。
年越派遣村みたいに、マスコミは大々的に報道しなくなっていますが、失業者の数は年末よりも今の方が多いですし。
出来れば、もっと福祉重視の補正予算案が出たら良かったのですが、今の政府では無理なんでしょうかね‥‥