2009年04月22日

点と線の事件は続く

一昨年九月の北海道母子殺傷事件で、携帯電話の通話記録が残っていたことなどから、事件直後に重要参考人として事情を聴いてた男性が逮捕されたというニュースなど容疑者が犯行については一貫して否認していても、来月始まる裁判員制度を前に逮捕という事件が続く。

昨日の「和歌山カレー事件」で、動機も直接的な証拠もナシで死刑判決が出たコトも踏み切るきっかけになったのかもしれないが‥‥

点と線 (新潮文庫)

かの有名な松本清張の代表作で、既に世に出て五十年以上経過している作品で、過去に読んだかどうかも記憶に定かではナイのだが、娘が塾の先生から勧められてかなり古い本を貰って来たので、新たな気持ちで読んでみた。

ストーリーとかは、TVドラマにもなっているので、ある程度は記憶にあったのだが、いよいよ最後のクライマックスで驚いた。

犯人が判って、万事解決したのだと思っていたのだが、そうではナク犯人が自殺と思われる死に方をしたので、状況証拠しか無い事件だが解決をみたというラストだったのだ。

犯人のアリバイ・トリックを丁寧に暴いたモノの、公判の維持が可能だったかどうかと言えば、かなり難しいとさえ、捜査に当たった警察官に言わせているし、いわゆる「とかげのしっぽ切り」によって、官僚が上手く立ち回るという部分は、半世紀経った今でも、全く変わってナイ。

こうした状況を考えると、果たして今年、裁判員制度が始まるというが、本当に気は熟したのだろうかと毎度のコトながら、とても気になる。

様々な小説やドラマなども世間に溢れているので、知恵を付けた犯人と警察の綱引きはもっと大変になるだろう。

検察と弁護士との綱引きが、その反映として熾烈になればなるだけ、より裁定を下すのは難しくなる。他人の人生を左右する様な判決を出したいと思う人ばかりではあるまい。

少なくとも、裁判に対して尻ごみしている人々を無理やり裁判員として引っ張り出すのは、裁判の民主化とは必ずしも言えないのではないかと思うのだが‥‥
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この記事へのコメント
何事にも最初はありますね。
陪審員制度もよく練って将来に繋げたいものです。
Posted by 俊樹 at 2009年04月22日 23:39
裁判員制度は日本という国の国民性に合わないのではないかと私は思います。それに現状では国民の大多数がマスコミの流す情報を信じきっている感もあり、公平な判断ができるとは思えませんね。守秘義務ひとつにしてもどこまで守れるのか分かりませんし、候補者名簿に記載されるかもしれないという通知を受け取っただけで、ブログなどで書いている人も大勢いましたし・・・。それから司法官僚の意地みたいなので、成立したような制度だとも言われてますしね。
Posted by 鍼医K at 2009年04月23日 00:44
俊樹さん、とにかく助走から始めて、ホップ・ステップ・ジャンプと段階を踏むべきで、いきなり世界に例を見ないトコまでジャッジするのは大変だろうと思います。
Posted by koyuri at 2009年04月23日 20:08
鍼医Kさん、マスコミの騒ぎ過ぎは確かに問題です。

守秘義務というのも、本人が望んでなるのであれば、守るのも苦痛ではナイでしょうが、望まないのに義務だけを課せられるのは、どうなんでしょうね。

基本的に、検察と弁護側が事実認定で争わない裁判の方が多いらしいのですから、そういう裁判だけ裁判員がやって、裁判官の負担を減らすだけで、まずは十分だろうと思いますけど。
Posted by koyuri at 2009年04月23日 20:12
 
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