世の中には、知ろうと思わないと知らずに終ってしまうコトが沢山ある。
例えば、大阪府、兵庫県での新型インフルエンザの集団感染は同一のウイルスで起きたと考えられ、4月末に、発生していた可能性があるとの見解も、製品評価技術基盤機構と国立感染症研究所が明らかにしたというニュースなど、知らずにいれば渡航歴の無い高校生が最初の感染者だと思ってしまうのだが、単に発見されたのが最初なだけで、既に蔓延していたのに罹っただけという、実に当たり前のコトがあまり報道されなかったりする。
ちなみに、最近読んだ本でホトンド知らなかったのが、花巻鉱山での事件。
鬼哭青山遥かなり
おそらく著者の北上秋彦さんがお気に入りの作家でなかったとしたら、読まなかった可能性がとても高いのですが、何時もの作風とはかなり違ったスタイルで、日本の戦前、戦後のどさくさに紛れて明らかにされなかった事件をモデルに書いた小説です。
花山鉱山での事件は、知らなかったに等しいのですが、長野市の松代には、もう少し戦争が長引けば大本営になるハズだった場所が存在し、現在は松代地震観測所にもなっている大掛かりな地下壕があるので、そうした場所で朝鮮などから強制連行されて連れて来られて、過酷な仕事をさせられた方々が日本各地に存在するだろうとは思っていました。
タダ、花巻事件ではかなりの数の虐殺があったと思われるのに、ソレが隠蔽されようとしている現状を思うと、実にイヤな気分になります。
歴史は学ぶコトによって、過ちを繰り返さずに済むハズなのに、悪い部分を隠してしまうと誤った認識によって、間違いをリピートしてしまうコトになります。
知らないコトは、罪なのだと改めて思わせてくれる本に巡り合うコトは、世に対する見方を広めてくれます。
世の中には、マダマダあまり人に知られずに終わる悲劇が多いのかもしれませんね。