
天童さんの久々の新作なのですが‥‥ある意味、「家族狩り」の対極にある作品なのかもしれません。
ちなみに、訂正加筆されて文庫本になった作品ではナク、当初の単行本に書かれた方の。
作者の気持ちが動いたからかもしれませんが、作品の迫力としては単行本の「家族狩り」が一番力が入った作品の様に感じます。
その荒々しさが、文庫本などになって行く時に薄められ、その行き着いた先が「悼む人」なのかもしれません。
小説というのは、読後感が良いモノをもって良しとする場合と、迫力があって良しとする場合があるので、簡単には甲乙が付けられません。
迫力を追求する人は、初期の「家族狩り」を好むでしょうし、魂の浄化を願う人は、間違いナク「悼む人」を押すに決まってますから。
ともあれ、八年間待たされただけのコトはある作品です。