2009年11月04日

,猫の目バス行政のツケは‥‥

結局、中小零細企業が負わされるんでしょうね。

昨日の信濃毎日新聞に、一昨年の二月、大阪府の吹田市で死傷事故を起こしたツアー主催業者が事業を停止し、自己破産を含めて法的手続きを検討しているという記事が載っていた。

スキー人口の減少と、事故による信用低下で資金難になったそうだ。まぁ、ソレだけなら自業自得という気もするのだが、当時話題になったのは、低賃金で運行せざるを得ない新規参入のバス業者。

事故を起こした「あずみの観光バス(現在はダイアモンドバス)」の社長は、無理して働かさせていた息子を事故で亡くした上に、自己破産しそうになっているサン太陽トラベルに運賃の未払いがあり、四月に大阪地裁は約1287万円の支払いを命じて貰ったものの、現在控訴審で争っているのだそうだ。おそらく、裁判で再び勝訴しても、代金は取れず仕舞いになりそうな雲行きだ。

タクシー業界も、減車の方向で行くコトになっているみたいだけれど、バス事業に簡単に参入させる時は、白バスを厳しく締め付けるという方向性を打ち出し、実際に処分された例もあった。

しかし、今や、白バスは野放し状態だし、それを信じてバス業者になった中小零細業者のホトンドは、馬鹿を見たというコトなのかもしれない。

長野から東京への路線バスも、既存のバス業者と新参の業者とで、価格競争をしているが、そうやって互いに儲からなくなっても、既存のバス業者は民事再生法で潰れて、銀行からの借金はチャラ。

結局、その負担は一般の庶民のツケになるだけだ。

振り返ってみれば、タクシーやバス事業の規制緩和というのは、自動車メーカーを潤しただけで、ホトンドの国民はさほど得をしてナイんじゃないだろうか。

多少は、運賃が下がったなどと喜んでいても、例えば日航などが不振になったからと、税金が投入されたりするのだから、トータルで見れば得をした人など、そんなに居ないのではナイかと勘ぐってしまう。

おそらく、今の時点でのコトを前もって知っていたら、新規参入などしなかったというバス業者も多いのだろう。

大手だけは救済されるのが、日本の格差社会の現実だというコトをしみじみと感じる人も多いんじゃないか。

糸瀬茂さんは、早死にしてしまったけれど、

「デパートを税金で救う国」の行く末―総括256ページ (小学館文庫)「デパートを税金で救う国」の行く末


この本は、手近に置いてあって、時々、思い出しては読み返すコトがある。金を稼ぐコトよりも、しなくてはならないコトがあると思って金融業界から足を洗い、今、訪れている格差社会に早くから警鐘を鳴らされていた方の卓越した論を読み返す度に、ドコで日本は進路を間違えてしまったのだろうかと改めて思うのだ‥‥
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自己破産の申立法や費用、弁護士に頼む時の注意点等について
自己破産【自己破産.com】at 2009年12月05日 22:52
この記事へのコメント
大企業とか銀行などが破綻して潰れてしまうと社会に与える影響が大き過ぎるといって公的資金を投入する、これって本当にそうなのかと思いますね。本当は淘汰されなければならないものが淘汰されずに生き残っているから、後で余計ひどいしっぺ返しを受けているのではと思います。もっと先をみないとだめじゃないかと。
Posted by 鍼医K at 2009年11月05日 00:26
規制緩和政策は経済を知らない元小泉総理が竹中教授に頼みこみ、学者の学説的経済理論を実施したツケであります。

私も以前、猫の目行政を批判いたしました。
政治というものは、こうするとこうなると結果まで思考するものだと想うのです。

先日、「沈まぬ太陽」を見てきてJALについて考えていたところなんです。
Posted by takachan at 2009年11月05日 08:56
夏休みに孫を連れて日帰りバスツァーに行ったのです。

使用したバスは山梨の笛吹市の小規模の青ナンバーでした。
このバスの運転手さんのこの日の勤務です。

午前5時 笛吹市出発
  7時 東村山客乗車その後3ヶ所で乗車
山梨県下周遊

夜9時  東村山客下車
 11時  笛吹市帰着のち洗車
驚くような勤務形態でした。
Posted by takachan at 2009年11月05日 09:04
鍼医Kさん、「大企業とか銀行などが破綻して潰れてしまうと社会に与える影響が大き過ぎる」という言葉を聞く度に、影響があるのは「政界」じゃないのと思ってしまいます。
Posted by koyuri at 2009年11月05日 10:44
takachanさん、連続してありがとうございます。

ともあれ、政治家の方々の見ている相手は、一部の上流階級だけであって、ソレに踊らされる一般の国民など、「どうとでもナレ」と思っているのだと思います。

全ては「自己責任」という言葉に置き換えて‥‥
Posted by koyuri at 2009年11月05日 10:48
 
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