2010年01月14日

何処の国の話なのか

と思うほど、登場人物の名前などを一部いじったら、まるで今の日本社会の出来事みたい。

中流社会を捨てた国―格差先進国イギリスの教訓中流社会を捨てた国―格差先進国イギリスの教訓


イギリスという国は、「ゆりかごから墓場まで」という高福祉の国だと教わった古い時代の人間には、サッチャー政権から始まった「小さな政府」という掛け声のその先に出現したイギリス社会の変貌は、ある程度は知ってはいたものの、ココまでアメリカみたいな格差社会になっていたのかと、驚きを禁じえません。

人生の幸運から得られた報酬を、自らの才能と勘違いして他人を省みるコトが出来ないスーパーリッチ層へのインタビューから、人間というものはあまりイマジネーションというモノは無くて、どんなに自分が恵まれているかという客観的な自分に対する評価が出来ず、自分よりも弱者に対する想像力が欠落しているものだと感じました。

要するに、人間というのは、誰しも自分に都合がイイ様に世の中を変形して見ているのでしょう。

累進課税を緩やかにしたイギリスで、何が起こったかというと、今の日本とそっくりな社会です。

多くの富を手にした者達は合法的であれ、非合法であれ税を逃れたりして、真面目に支払うべき税金は、一般人の懐から出すので、ますます格差は増大してしまうという側面もあるみたいで。

累進課税を緩和する理由は、「そうしなければ、金持ちは他国に行ってしまうから」というグローバルに類似の話なのですが、実際に海外に行けるだけの才能のある人など、そんなに存在しないと語られてます。

この本の取材の時には、リーマン・ショック前だったりしたので、その後その人々は不変の人も居れば、奈落の底に落ちた人も居るのかもしれません。

しかし、単純作業とはいえ無くてはならない仕事をする人々に、ワーキング・プアを強いて、その上前を少数で山分けする様な社会が続くはずもありません。

日本の著書に少ない、建設的な提言も書かれています。

●税金を払うことを誇りとし、租税回避を恥とする文化を構築すべき
●高額報酬のガイドラインを設定する
●税金の均等な資産に応じた税負担を
●非定住者の税逃れを許さない
●相続税や累進課税を厳守する
●全員に税の透明性と安心して暮らせる収入の確保を

かなり抜粋して簡略化してますが、これは今の日本でも当然為すべきコトでしょう。

税金を節約したお金で、より自分に楽な税制へと政治的誘導をする様な勢力とは、政治は決別すべきなのだと改めて思いました。
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この記事へのコメント
おっしゃる通りだと思います。世の中には様々な職業があって、高額を稼げる職業もあればそうでないものもありますし、経営者だけでも労働者だけでもはたまた資本家だけでも成り立たないのですから、すべてが必要な訳ですよね。経営者や資本家が勘違いをしてしまうような税制では困りますし、書かれているように納税できることを誇りに思えるような社会になって欲しいと思います。
Posted by 鍼医K at 2010年01月14日 23:05
読みごたえあるブログ、いつもありがとうございます。
今回のもうなずかざるを得ません。
格差は確実に、進行中です。これ以上、見ないふりは難しいのでは?
おっしゃる通り、税制や資産の移動については、もっと踏み込んだ議論を始めないと、国民は政治不信がますます強くなるのではないでしょうか。
世襲の問題も、資金管理団体が親族間で移動することが制限されればある程度解消する、と、大前研一さんもどこかで言ってました。資産の移動の際に、賦課する仕組みづくりに着手していくべきです。
鳩山や小沢のカネの疑惑も、根はここに通じてるのではないか?
クリアーかつ公正な税の集め方と使い方、これを真っ直ぐに訴える政治家を選びたいものです。
Posted by らくだ at 2010年01月15日 22:25
鍼医Kさん、「真面目に税金など払う奴は馬鹿だ」などと放言する人間が、お金を持っているからと言って羨ましがられる社会にだけはなって欲しくナイですね。
Posted by koyuri at 2010年01月15日 22:27
らくださん、本当にそうなんですよね。

タダ、後ろ暗いお金を手にしている政治家というは、かなり多く存在しているワケで。

自民党の人々が、与党を攻撃しているのを聞くと、『あらまぁ‥‥』という気分になります。

心機一転、世襲でナイ議員に、続々と新たに国も地方も変わって行って欲しいものです。
Posted by koyuri at 2010年01月15日 22:32
 
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