生活保護を受けなければならない人が増えているだけに、困窮している人からの話は世に増えているのだが、担当であるケースワーカーの大変な実態というモノは、あまり知られていない。
ちなみに、著者はその仕事を辞めて空手家になったので、その辺は少し異色だし、そういう部分で我田引水的な部分も無くはナイのだが、ともあれ、現在もケースワーカーだったとしたら、こういう本を出すコトは不可能だったと思うので、貴重な本とも言えるだろう。
福祉の心を持つ「格闘空手館長」15年の体験! 実録! 熱血ケースワーカー物語
生活保護の不正受給が問題になっていますが、世の中にはズルく生きるのを本分と考えているとしか思えない存在の人間も存在するので、中々そういう人々を除去するのは難しいもの(下手すると命に支障が出たりしそうなホド)なのだという実例が出たり、事件とは無関係な遺体は福祉事務所で処理するコトになってるので遺体を警察から引き取って身元調べしたりと、かなりハードな仕事です。
実の親でも、子供をチャンと育てられない親から子供を児童相談所に引き離して入れるコトによって、子供が自立して生きられる様にしたりなど、仕事の範囲はとても広く、あまりに大変な仕事です。
俗に「他人の芝生は青い」とイイますが、公務員でもこんなに大変な仕事があるのかと、目からウロコの一冊です。