佐高信の丁々発止―佐高信対談集
普通だったら、新しい本の方が現実を理解するのに適しているのだけれど、今や日々の流れに踊らされているからか、五・六年前のコトすら記憶があやふやになっているのかもしれない。
そういう感じで、読み返してみると小泉政権の時代の間違いなどを思い出して、今の政治を違った意味で考えさせられてしまうりだけれど。
で、一番考えさせられたのが、渡邉恒夫さんの発言。
小選挙区ではどんどん大衆迎合が進んでしまう。中選挙区制の場合は、三人区であれば、投票率などを考慮すれば自分の政策を説いて、一五パーセントの有権者から支持を得られれば当選できた。ところが小選挙区制のもとで五一パーセントの有権者が納得するようなことを言おうとすれば、それはもう大衆迎合以外の何ものでもない。要するに、多数の死に票が出る選挙では、選挙結果が極端に揺れるので、どうしても耳ざわりが良い言葉だけを発する様に政治家がなってしまうというコトだし、理論が素晴らしくても、大した名もナイ人が政治家を目指すというコトが、とても難しくなっているというのも事実なワケで。
大勝した方が、強行採決するばかりの政治がイイのかどうか。
ある意味、小選挙区制の問題がかなり出て来たのかもしれませんね。