取手駅で通り魔事件を起こした斎藤勇太容疑者は、「一生独身そうな人」1位、「ストレスがたまりそうな人」1位と、高校時代の卒業文集でこのように紹介されていたそうで。
性格はおとなしく、物静か。読書が好きで、将来の夢は小説家だったとも。とても粗暴な振る舞いをするタイプではなかったらしいが、「事件を起こしそうな人」の4位にもランクされていたらしい。
高校を卒業して、前途洋洋たるべき時に、こんなアンケート結果の載った卒業文集を貰ったら、どんな気持ちになるだろうか。
しかも、本当にそう思っているのだとしたら、周囲が手を差し伸べるべきなのに、どん底に突き落とす様な振る舞いをしていて許されるのか。
滋賀県の殺人事件でも、犯人は以前からストーカー的な行為をしているのに、殺人を未然に防げないで終わったし、遺族にしたら何とかならなかったのかという気持ちになるだろう。
物事には、大体、何でも前兆がある。
しかし、ソレから類推して、最悪の事態になるコトを避けるのが大事なのに、全く、その後の展開をタダ手をこまねいて見ているというのは、如何なものか。
被害者はモチロンのことだが、加害者だって、そこでフォローして貰っていたら、全く別の人生があっただろうに。
東洋医学は、「未病」という「病の手前で健康に戻す」というコトを第一義としているが、世の中の犯罪も「犯罪の前に抑止力」として動かなくてはダメなのではないだろうか。
現代は、生命の危険というコトが、太古の昔と違って薄れてはいるが、だからこそ、先を見通す力が減っているのかもしれない。
しかし、世の中には新たな危機も芽生えているのだから、やはり物事は些細な兆候を見つけて、即座に対応するという基本を忘れるべきではないと思う。