環太平洋連携協定(TPP)への交渉参加問題で、二〇一一年十一月に後れて交渉参加を表明したカナダとメキシコが、米国など既に交渉を始めていた九カ国から「交渉を打ち切る権利は九カ国のみにある」「既に現在の参加国間で合意した条文は原則として受け入れ、再交渉は要求できない」などと、極めて不利な追加条件を承諾した上で参加を認められていた。
交渉参加に前向きな安倍晋三首相は、「『聖域なき関税撤廃』が前提ではないことが明確になった」と繰り返しているが、政府はカナダとメキシコが突きつけられた厳しい条件を明らかにしていない。日本がこうした条件をのんで参加した場合、「聖域」の確保が保証されない懸念が生じるという報道がなされたが、日米共同声明でも、「日本には一定の農産品」というような「センシティビティ(重要品目)が存在する」ことを認めさせたと言うが、だから関税撤廃をしなくてよいとはもちろん書いていないのだという。
それでも、TPPへと突き進むのは、売国行為ではナイだろうか。
ウルグアイ・ラウンドの交渉妥結の際に6兆円もの農業対策を打ち出したが、その多くはハコモノなどの公共事業に使われ、結局農業の競争力は衰える一途となってしまったと書かれているが、農家の健康推進のタメにと地域に体育館などを造ったところで、農業の基盤は強くならない。
そもそも、農業をしていたら、生活が安定的に営めるという保証すらナイという現状で、肉体的にも大変な仕事を選択する人が多いハズがあるまい。
それでも、定年後に農家として頑張って働いている人や、田舎暮らしで子供を育てたいという方々が、多少は居るので何とか日本の農業が続いているだけだ。
そもそも、安全な食料を食べたいけれども、値段は安くというのでは、生産者はたまったものではナイ。
市街地の農地は、どんなに優良農地でも跡継ぎや、相続対策などの問題で、次々と宅地として売られたり、アパートにされている。
残された中山間地で、これからどんな農業がグローバルな展開を出来るというのか。
選挙は、選挙民を騙した者勝ちとは言われるけれども、農家の方々は自民党に裏切られた過去をスグに忘れてしまうみたいだ。
そして、農家がダメになっても、自分のコトではナイと思っている内に、何れその影響は全国民にも及ぶのは確実だという気がしてならない。