お腹の胎児にダウン症など先天性の異常があるか否かが分かる、出生前の遺伝子検査を受ける母親が急増していて、出生前検査の「誤診」が、いま新たなリスクとして社会問題となりつつあるというのだが。
日本では建て前上、胎児の障害を理由に堕胎を行うことは犯罪であり、強姦などによる妊娠と、子どもを育てることがよほど経済的・身体的に難しい場合だけ、医師によって堕胎できると定められている。
というコトの是非が問われるのかどうか。
それとも、曖昧なままに判決が出るのだろうか?
障害を持って生まれて来た子供も気の毒だし、親も大変かもしれないし、データの見間違いに気付かなかったという誤診は過失に違いナイが、そもそも論はどうなるのか。
折りしも、全国の学力テストの問題でも秋田県は全国一位で素晴らしいという報道がされていて、確かに下位の県の先生達が秋田県の教師に学んで、生徒の学力が向上するのは望ましいとは思う。
しかし、今年から同時に行った保護者アンケートの結果も加味され、保護者に対する質問を具体的に見ると、詳細に子どもへの接し方を聞いているほか、進学先や将来のこと、教育観や保護者自身の生活などについても尋ねていて、世帯年収や両親の学歴も調査して、経済格差など家庭環境が子どもに与える影響を探るというのだが、その結果がどう活かされるかで、この問題はかなり複雑になるのではないか。
極端な話、良い親からは良い子供が生まれ、ダメな親からダメな子供が生まれるみたいな色分けが行われるのであれば、それこそ、遺伝的に優れた子供を産みたいと考えた人達は、遺伝子バンク利用というコトにもなりかねない。
人生は学力だけで測定出来ないものだし、人生に起きた不遇な出来事を克服するコトで、人間は成長するものだが、今の風潮はそんなコトは許さないという方向に流れ、変に画一的な人生が望ましいというコトになるのではないかと、なんだかちょっと恐ろしい気がする。