2013年10月17日

努力だけで認知症は介護可能か

臨時国会に提出された「社会保障制度改革プログラム法案」は、あくまで「社会保障制度改革の全体像やスケジュールを決めるもの」だが、「個人の自助努力を喚起する仕組みを導入」をスローガンに掲げ、介護・医療・年金などの分野で、これまでの「互助」や「扶養」からの大転換を図っているという

とはいえ、'07年12月、愛知県に住む当時91歳の男性(以下A氏)が、JR東海道線の共和駅で線路内に入り、快速列車にはねられて死亡した。

JR東海はA氏の遺族に対し、振替輸送などに伴う損害賠償を求めたところ、今年8月、名古屋地裁は720万円の賠償金を全額認めたのである。

A氏には'00年より認知症の症状が出始め、A氏と同居する当時85歳の妻(以下B子さん)と、彼の長男の妻(以下C子さん)が介護に当たっていた。

事故当日の午後4時半すぎ、C子さんは自宅玄関先でA氏が排尿した段ボール箱を片付けていた。A氏は普段からトイレの場所が認識できず、所構わず用を足す状態だったため、あちこちに段ボール箱などを置いて対処していたという。

このとき部屋の中には、A氏とB子さんのみ。ちなみにこのB子さんも要介護1の認定を受けており、老老介護は限界があるため、「長男の嫁」としてC子さんが横浜の自宅から単身、A氏宅の近所に引っ越し、毎日、B子さんとともにA氏の介護にあたっていた。

だが、時間にしてわずか10分足らず、B子さんがついうとうとした隙に、A氏は家から出てしまう。B子さんとC子さんがA氏の行方を懸命に探すも、約1時間後、A氏は自宅最寄り駅の隣駅で、列車にはねられた。

結果、約2万7000人の足に影響し、JR東海は対応に追われたことから、提訴、直接介護に当たっていた妻・B子さんとC子さんの夫、つまりA氏の長男に賠償責任として出た。

A氏には長男の他に3人の子どもがいるが、彼らに賠償責任はないとされた。直接的にA氏の介護に当たっていた家族のみが、責任を問われた
というコトと考え合わせると、何とも残酷な話ではないか。

介護施設は入所待ちだったりする上に、ある程度の金額を出せなければ、それも叶わない。

それでも、自助の精神だけで何とかしろと言われても、どうしようもナイではないか。

消費税を増額しても、そのホトンドをばら撒いて、大企業の懐を潤すだけで、国民は長生きせずに、働けなくなったら、さっさと死ねと言うコトか‥‥
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この記事へのコメント
わたし、要介護2の判定が出ているので、一応介護受けてますが、何でも自分で出来るので何を頼もうか困ってしまう事があります…。

やなせさん、70歳を過ぎてから人気が出ましたがそれ以前には地道な活動と努力があったんですよね。
それが一気に花咲いたんでしょう。
それにしても自分の子ども時代にアンパンマンが出来上がっていたなんて驚きでした。
子どもたち、アンパンマンとピカチュウが大好きでしたよ^^
Posted by 俊樹 at 2013年10月18日 17:01
悲しくて、悲しくて、こんな事が頻繁に起きたらどうなるんだろう?
Posted by 飯塚 at 2013年10月18日 19:00
俊樹さん、身体が不自由だと判定が高く、認知症は身体が達者なので、判定は低いですからね。

我が家の子供達もアンパンマンとピカチュウ大好きでした。
Posted by koyuri at 2013年10月18日 21:07
飯塚さん、マスマス頻繁に起きる可能性は増えますし、下手をすると認知症患者と無理心中という事件が、増えるんじゃないかと危惧してます。
Posted by koyuri at 2013年10月18日 21:09
 
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