2014年01月19日

確かに本は売れないのだが‥‥

今回の直木賞・芥川賞の候補作にあげられた11作品は、作品がすでに刊行されている直木賞の候補作6点のうち、初版部数が1万部を超えているのは2点のみ。その後、増刷を重ねて1万部を超えたものを含めてもわずか3点。

芥川賞の場合、候補5作品のうち、既刊は1作品であり、残りの4作品は文芸誌に掲載されたのみでまだ刊行されていない。そのうちの2作品の欄外にこのような書き込みがある。

「受賞時5万部 受賞しなかった場合0.5万部」

「受賞時未定 受賞しなかった場合0.3万部」

最近では芥川賞・直木賞を受賞しても10万部いけば成功だと言われて
いるのだと言う‥‥

そもそも、『直木賞の一般認識といえば、国内最高の大衆小説に与えられる賞』とまで持ち上げられているが、おそらく、それは一昔前の話。

直木賞・芥川賞に既に、そこまでの権威があるとは思えない。

確かに、太宰治が受賞出来ずに、その後の人生を破綻的に送ったなどというエピソードは残されているし、それをバネにして、太宰治は今でも人々に支持されている小説を世に生み出した。

けれども、一年に一度だけしか貰えず、受賞作無しといった厳しい選考から、下手すると半年に一度複数受賞さえある今の選考になってから、一気に賞に対する期待度が落ちたのではないか。

あまりに受賞作家の数が増えて、有難味が激減した。

それでナクとも、忙しい今日では、受賞のニュースの時に読んでみようと思う奇特な人がある程度は居ても、それが本当の傑作で無ければ、次回の受賞作の購読に繋がるとも思えない。

両賞を受賞してナクとも、面白い作家は数多いし。

テレビや映画にしても、原作がマンガというモノが増えているし、小説よりもアニメやゲームクリエーターの方が儲かるというコトが明らかになってしまった現在、無理にあがけば足掻くホド、小説の地位が低くなるのではナイだろうか。

いっそ、どん底に落ちてしまった方が、それでも書きたいという意欲のある人々が、筆を執るのではないかとすら思ってしまうのだが‥‥
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