医師の方が書かれた本ですが、本音が満載で実にユニーク。
シニカルな小説で関心を持った作家ですが、完全にファンになりました。
例えば、「抗がん剤ではガンは治らない」の項では、数ヵ月程度の延命をもたらすけれども、治す薬はない。
抗がん剤の認可の基準は「大きさが半分になって(がんが消えるのではない)、4週間、新たな転移や再発がない患者が、5人に1人以上あれば認可」なので、5人のうち4人が効かなくてもよいということ。効いた1人も、4週間以後に悪くなってもいい。
「点滴は血液を薄めるだけ」の項には、点滴の本体は薄い塩水で、多少の電解質とブドウ糖が5%程度。
脱水症のときには有効だが、血管に水を入れるので、心不全の症状を悪化させ、腎臓が弱っていると、入れた水を排泄出来ず、むくんで負担が増える。
骨粗しょう症の薬や注射も、ほとんど無駄。
高血圧やコレステロールの基準値が年々厳しくなる理由はガイドライン作成医師と製薬会社の癒着が疑われる。
がん検診に熱心なのは日本だけで、メリットもデメリットもあるので、世界はさほどでもナイ。
同級生だった医師にアンケートをとった結果、10年間56%の医師ががん検診を全く受けず、10年間で10回以上は20%に満たない。
メタボ健診も、肥満パラドックスを考えると意味があるのかどうか。
とまぁ、普通の常識とは違う話ばかりです。
そういう話を読んだコトが無いと言う方には、是非、オススメしたいと思います。