かつて、『年越し派遣村』等で話題になった貧困問題は、さほど騒がれなくなったけれども、もっと深刻化しているようだ。
正社員を減らし、非正規社員を増やすという社会環境が続く限り、マスマス貧困問題が進むとしか思えない。
ILOで勧告している「同一労働同一賃金」をと政府が言い始めているが、下手をするとだからと正社員を削減するのではないかという疑いすら持つ。
ともあれ、そういうしわ寄せは女性の方に集中する。
何故なら、出産などで職場を離れなくてはならず、DVの被害者になる可能性は高く、子供の父親が養育しないという選択をする可能性もあり、死別や離別の時に子供の面倒を見つつ、働くしかナイという境遇になる可能性が高いからだ。
ともあれ、TVの番組を書籍化したという本がこちら。
何しろ、働く単身女性の3人に1人が、年収114万円未満といわれるので、男性よりも貧困層になりやすい。
親の世代が貧困だと、子の世代へと引き継がれやすく、特に若い女性に重くのししかかる。
2年以上もネットカフェで暮らす10代姉妹とその母親の存在には、本当に驚く。(三人で別々に過ごすなら、住居を借りた方が絶対に得だと思うのだが、それが不可能な現実)
奨学金返済という名の500万円の借金を背負った四大卒でもアルバイトとか‥‥
家事を担いつつ、家計を支えて夜間通信制高校から進学を目指す19歳などの苦労は、『最早、昭和でもナイのに』と思ってしまうが、逆に昭和だったら高卒でも、簡単に正社員になれたのにとも思う。
少子化や、晩婚化の背景には、男女共に貧困の問題も横たわっているというコトを確信した。(女性が、貧困になるのがイヤだと、しっかり働きたければ、結婚や出産も未だに望めないという現実も含めて)