国が保育園の不足解消に動くのであれば、とても嬉しいコトではあるけれども、本質的な問題として、例えば育児で何年か親が仕事を休んだとしても、キャリアの中断を許す国になるコトも、本来ならあるべきではないかと思ったのが、こちらの本。
愛着についての研究が世界的にも盛んな国・オランダでは、賃金抑制を行う代わりに雇用の安定化と労働時間の短縮を進め、正規雇用とパートタイム労働者の差別を撤廃した結果、総労働人口が増え、景気がとてもよくなり、失業率は1%を切る水準まで下がるとともに、賃金や一人当たりの実質GDPも上昇したという。
働く女性は、出産子育てと仕事のバランスをとりやすくなり、一九七〇年代には女性の社会進出が緩慢に進むとともに、合計特殊出生率が急激に低下してたのに、女性の社会進出が急速に進むのと並行して、合計特殊出生率が改善した。
有給の出産休暇は産後一六週で、ヨーロッパでは特別長いわけではないが、出勤日数や出勤時間を調節することが権利として認められているので、無理のない範囲で働けるので、子育てと仕事の両立に繋がっている。
夫と妻が、たとえば週に三日ずつ働き、仕事や子育てや家事も平等に分担するスタイルが増えている。
労働時間自体が世界でもっとも短く、残業は原則禁止で、夏には三〜四週間の夏休みを取るのが普通。
プライベートや子育てにゆったり時間をかけられ、午後六時には家族そろって夕食をとるのが一般的なのだとか。
とても、日本とは大違いなのだが、可能であれば、こうした抜本的な施策も検討されてしかるべきではナイだろうか。
特に、不安定な雇用問題の解消も、少子化問題には有効だろう。